フロントスピーカーとサブウーファーを、クロスオーバーをかけて繋げる場合、これはわりと有名な話だから、聞いたことある人も多いのではないかな?🙄
ホームシアターで映画をみる場合でも、ステレオ音楽でも、カーオーディオでもクロスオーバー設定には共通するポイントがある。
可能な限り80hz以下まで低音が出るフロントスピーカーを使い、80hzもしくはそれ以下に設定するのがクロスオーバーの調整のコツだ。
世の中に氾濫するサブウーファー調整情報の多くは、
50hzぐらいまで良質な低域が出せるスピーカーに対して、サブウーファーをどうあわせていくか?
このアプローチについて解説されていることが多い。
だから40~60hzあたりでクロスとか、ホームシアターならラージ設定でそもそも単独で鳴らすことを推奨してる。
鳴らすというより、文字通りサブ。一番低いところをちょっと補う、添えるという感じ。
でもそんな立派なシステムばかりじゃなくたっていいんだよ。
低音域苦手な小型スピーカーのシステムなら、サブウーファーにも少し頑張ってもらわないと映画音響の土台がしっかりしない。
自分のやりたいシステムが小型(6.5~8㎝)なのであれば、やりかたも変わってくるということ。
クロスオーバーって言葉は難しそうだけど、そこまで神経質にならなくていいと思ってる。
映画サラウンドだからといって超大爆発のシーンで調整して「この爆風…本来はどんな感じなんかな~?」とか考えてもよくわからなくなっちゃうw
それより映画の素晴らしい楽器演奏が収録されているシーンで、特にベース音が心地よく良く聞けるようにサブウーファーとの繋がりを調整すると、結果アクション映画などでも納得のバランスに仕上がることが多いのよ。
音楽なら、そもそもサブウーファーを使わず多少低音が物足りなくても、2CHステレオでスッキリ聞きたいという人もいるだろう。
映画音響についても超小型スピーカーで構成する5.1chなら100hz~150hzでクロスオーバーさせて堂々と楽しめばいいんだよ。
なぜ高い周波数でクロスオーバー設定してはいけないといわれるのか?
「なるべく80hz以下で、フロントスピーカーとサブウーファーをクロスオーバーさせましょう」
これよく聞くよね。
特に🚐カーオーディオとかの世界では強く推奨されてる。
で、その理由というのが、
①「80hz以上の音になると人間は方向性を感じるようになるから」
②「高めでクロスするほど低音のキレが悪い、ドスン!という重い音がでない」
ん?どういうこと?
例えば①、カーオーディオの場合わかりやすい。
運転席足元の16cmフロントスピーカーと、トランク設置のサブウーファーを200hzでクロスオーバーさせたとする。
するとトランクのほうから低音がドンドン聞こえてくるように感じてしまう。
これは80hz以上の音が後ろのトランクから鳴っているから、脳が方向を感じて、音がそちらに引っ張られるという現象。
後方で、しかも低い位置に聞こえる。
でもドライバーからしたら、なるべく目の前のステージ上で音が合成されて低音だって足元から鳴るのではなく、適正な高さで自然に響いてほしいわけ。
ただでさえ、車はドアスピーカーが一般的だからけっこう低い位置にスピーカーがある。
だからカーオーディオで高音質というと、ドアミラー裏にツーイーターを設置したりして音場を上げようと必死。
実際にリスナーの耳の高さにステージが展開したほうが気持ちいい。
②については、ホームシアターのAVアンプのマイク測定による自動調整機能を使うとよくわかる。
ぼくの持ってるスピーカーの低域再生能力が弱いのを接続して測定すると…
自動にするとね、200hz以上でクロスオーバーされたりする時あるのよ(笑)
なかなか人間ではいきなりその設定できないからね~
スピーカーの仕様って10cmぐらいの小型スピーカーでも周波数レンジ60hz~20khzとか書かれている製品あるけど、サブウーファーと組み合わせたとき60hzクロスでしっくりくることはほとんどないよ。
低音がどこまで出るかの下限であって、聴覚上心地よく響く低音はどこまでかはスピーカーによって全然違う。
よっぽどタイトな音が好みなら別だけど、普通の小型スピーカーなら映画音響の土台をしっかり支える低音の量感や響きのために80hz以上でクロスさせないともの足りないと思う。
※注 ちょっとショックな時もあるが、基本的にアンプのマイク測定は間違ってはいないのだろう…特にフロントスピーカーの場合は単純に出力特性が計測される(サラウンドのクロスオーバーが高めに設定されてしまうのは、メーカーのエフェクト機能との連動の都合があるような気もするんだけど詳細はわからない)
でね、この高クロス設定…
量感たっぷりなのはいいんだけど、聴いてみると少し低域がボワンボワンする。 おそらく映画館っぽい迫力を演出してくれてるんだけど、暫く聞いていると…
音が軽い。しまりのない音。かっこよくない音という感じ。
特にフロントでさえ200hzクロスとかになるとサブウーファーも質の良い音は出せない。ぼんやりした音になる。
つまりサブウーファーのクロスを上げすぎると、低音域が苦手な小型スピーカーに任せるより、量感は増すけどしまりのない音になる。(ぼくの好みでは小型のフロントでもギリギリ~100hzまで、サラウンドで~150hzぐらいまでが映画らしい音の限界だと感じてる)
高い周波数でクロスオーバー設定しないほうがいい。
メインスピーカーはなるべくしっかり低音がでるものを使う。
というのが理想みたいになっている。
この動画を見ると理由がもっと詳しく理解できるよ↓
しかし!、庶民の8cm以下の小型ホームシアターでは真面目にこれに従う必要はない。
ぼくはこの2点が特にクローズアップされすぎているような気がするんだ。
そうすると…
こういう小さなスピーカーは全てダメな、ホームシアターには使えないスピーカーということになっちゃう。
普通の箱に入れて鳴らした場合、カタログ値で150hzぐらいまでしか低域が出ないことになってるからね。
サブウーファーとクロスオーバーさせようとすると180hz~200hzでクロスになる。*クロスってそこでバッサリ切れるわけではなくて、お互いのスピーカーの音量が徐々に減衰していくから、ダブって鳴る部分をイメージしよう。
慣れてないと、とんでもない設定に感じてしまうでしょ?
ところがたいしたことじゃない。
このクロスオーバー設定で音楽も映画も楽しめる。
その理由をみていこう。
高めのクロスオーバー設定する際のサブウーファーの設置場所
例えば机の前にこのようなレイアウトで6.5cmの小型フルレンジスピーカーを配置してるとする。
低音が出ないから、AVアンプの周波数のクロスオーバー設定は180hz~200hzクロスだ。
次にサブウーファーの配置なのだけど…
サブウーファーの設置場所を部屋の角にぴったりくっつけて置いたり、遠く離れた所に置いたり、後方に置いたりしない。
視聴位置正面のセンターか、少なくともフロントLRの間のどこかには置くようにすることが大切。もし、サブウーファーの音が遅れて聞こえるというタイミングのセンスがわかる人は位相反転や、定在波など調べてみればいいけど、ぼくみたいによくわからない人はとりあえず角ぴったり置きをやめるだけで最悪の状態は回避できるよ。
「低音は指向性(音の方向感)がないからどこに置いても変わらない」という記述をよく見かけるけど、これはフロントスピーカーと80hz以下でクロスできるような場合の話。
小型スピーカーと組み合わせてクロスオーバーを100hz以上に設定する場合は必ずリスナーの前方に置き、左右フロントスピーカーの間に置く。
因みにぼくの場合、サブウーファーをちょうどゲーミングチェアーのオットマンとして使っているから一石二鳥なのだ。
オットマンとして楽チンだし、サブウーファーからの音が多少主張したとして、前方センターだから大きく音場が乱れる感じはない。
これだけだと意味わからないから、実際の映画のシーンを例に挙げると、エックスミッションという映画のオープニングシーン。
ヘリコプターが頭上を旋回するシーンがわかりやすい。
ここで2.1chの場合は180~200hzの高クロスオーバー設定の弱点がモロに出る。
ヘリコプターが頭上を旋回する音と同時に足元からも「ブロブロッー」と盛大に音が鳴るのがわかる。
天地で音が分離するのはかなりの違和感…
(2.1ではなく5.1CHのリアルサラウンドにすると違和感は少なくなる)
こういう状態があるから、高い周波数でクロスオーバーしちゃダメ🙅となるんだろうね。
この場合おもいきって100hzクロスまでさげて試してみるといい。
少し量感はスッキリしてしまうかもしれないが、モノの移動感や細かい音が聴こえてくるようならそちらを優先するのもありだ。
小型スピーカーの弱点を補うのに、ぼくはサブウーファー2台も素晴らしいと感じている。詳しくはこの動画をみてほしい。超重要なポイントだよ↓
小型ホームシアターでは~150hzぐらいまでサブウーファーに任せても大丈夫!
ふたつのポイントを紹介したわけだけど、
異論、反論もあろうかと思う。
また、そのような音が好みではないというのもあるだろう。
ぼくが大切にしてるのは、それぞれの音域を、無理せずに得意なスピーカーにちゃんと任せること。
「安いサブウーファーだからちょっとしか鳴らさない。音質悪くなりそうだから」とか考えない。
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カーオーディオを26年ぐらいそれなりにやってきた。まだまだ下手クソだけどね(^^)/
最初は無理してフロントとサブウーファーを60hzとかでクロスさせていた。当時それがカッコイイとされていた(笑)
でもね、車のドアスピーカーは17cmとかウーファー口径がある程度あったところで、プロショップの施工でもなければ、良質な低音は出せなかった。
むしろ80hzや100hzぐらいで無理せずクロスさせてサブウーファーに任せたほうが、気持ちいい音楽が聞けた。
だからセオリーはセオリーとして確かにあるけれども、
人の目は気にせず、自分が感じるエモーショナルな部分を大切にしてもらいたい。
フロントスピーカーとサブウーファーのクロスオーバーの設定の基本は…
ということなんだ。
最後に大切なことを…
👆これ見て!多くの場合、ボリュームの範囲はせいぜいこの範囲でキマる。
えっ、システムの組み合わせによって変わるのでは?と思われるかもしれないけど、ぼくの経験上、ホームシアター設定はほとんどセンター付近(カーオーディオのアンプゲインは別)
AVアンプの自動調整機能を使うときはツマミをドセンターにして測定。
自動調整機能がない場合もまずはドセンターから始めればいいよ(^^)/
必要なら、そこから前後2~3ミリの範囲内で微妙に動かして好みの音量に合わせる。この範囲内でも大きく印象が変わるのを感じることができればしめたものだ。
低音の音量バランス調整は普段一番よく聴く音量で行おう!音量を下げるとと人間の耳に聞こえてくる低音はより聞こえにくくなる傾向があるよ(^^)/
庶民の映画音響について興味があったら是非読んでくれ👇(^^)/
最後まで読んでくれてありがとうございます。
また、映画サラウンド音響レビューで会いましょう(^^)/
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