ネット上では、サラウンドの基本として、全てのスピーカーの高さを耳の高さに揃える、もしくはサラウンドスピーカーだけやや高い位置に設置することを推奨(ITU-R配置)する記事は多いんだ。
ぼくも完全再現したことあるけど、こんな感じね👇
もちろんこれは、
定位感(モノの位置関係が明瞭に聞こえる感じ)はいいと思うんだけど、
この狭い部屋でやる場合
映画らしく広がる気持ちのいい空間表現という部分では、
「そんなに、いいかな…?これ?」と疑問に感じる時もある。
ITU-R配置でいつも気になるのはフロントLR間隔というか、角度というかLR狭いよね?
ぼくはフロントスピーカーのLRの距離がある程度あるサラウンドが好きだから気になってしかたないw
この写真の場合、各スピーカーからの距離が近すぎて音が十分に拡がらないという要因もあるんだけどね…ホントは2.4メートル以上が推奨されているという噂がある。
そんな部屋はうちにない。
サラウンド(リア)スピーカーを、フロントスピーカーと同じ耳の高さに揃えなくてもOKと言われたら、スッキリする人、納得する人多いんじゃないかな?
この記事では、今までスピーカーの高さを揃えてきたけど、いまいちサラウンドが上手く決まらない…という人に、是非トライしてもらいたい配置を具体的に解説するよ。
因みに↓の動画は約100cmの距離にサラウンドスピーカーを設置して耳の高さから約15度上げの位置にしてるから5.1chユーザーもぜひ見てくれ!
🔽この記事はYouTubeでも公開してるよ🔽
サラウンドスピーカーを高いところに設置すると5.1chでも高さ表現や空間の広がりが増す
「少し高い位置にサラウンドスピーカーを設置しましょう」というのは理由がある。
5.1chでも高さ表現や空間の広がりが増すからだ。
一般的に、5.1chサラウンドは水平方向に広がる平面的な音響で、ドルビーアトモスは立体音響とされ、特に高さ方向の表現が優れているということになっている。
だけど、毎日アトモスや5.1chを聴いているぼくは、高さ表現の違いが決定的な差ではないと感じてる。
5.1chでも高さ方向の空間表現は可能。更にサラウンドスピーカーを少し高い位置に配置することで、より空間の広がりや自然な空気感をマイルドに表現できる気がしてるんだよね。
注意!ただし、フロント3台の高さは極力揃えたい👇️でもどうやって?
専門店や、プロのサラウンドスピーカーの配置はどうなっているの?
これはYAMAHAさんの試聴ブースを訪れた時のもの。
数軒、試聴しにお邪魔させてもらったけど、フロントとサラウンドのスピーカーの高さを完全に揃えて設置しているショップや、試聴ブースはなかった。
詳細はこちらを👇
5.1chで完結するシステムの場合はサラウンドスピーカーを高めに設置しても調整は効く。しかしドルビーアトモスの場合だと、天井のトップスピーカーも加わるわけで、そこに同じような高さのサラウンドスピーカー設置って高さ表現に困るんじゃない?と思ったが、そこはさすがメーカーのブースだけあって自然なサラウンドが楽しめた。
映画「エベレスト」(高さとか空間の表現をお客様に体験してもらうのによくデモで流すらしい)のアトモス音声を観させてもらったんだけど、
ドルビーアトモス 5.1.2chで聞いても、ドルビーTrue-HD 5.1chで聞いても素晴らしい音響だったのでびっくり。
YAMAHAの販売員の方曰く、
「サラウンドスピーカーを天吊り設置しても、アトモスのトップスピーカーと違和感なく繋がるのは最近のAVアンプの自動調整機能の進化の恩恵が大きいですよ」
というのもうなずける。
ぼくのサイトの主な読者は愛すべき庶民だから、
「そんな、YAMAHAさんがブースのデモで使っているような高級なAVアンプ買えないよ!」
「中古で買ったから、そもそも測定マイクすら付属してないんだけど…」
の方々だ。
持ってるAVアンプの補正機能の程度の差はあるかもしれないけど、
まずは基本の設置をしっかりして、なるべく整えた条件でAVアンプの自動補正機能をつかおう
例えば、リスナーまでの距離が120cmなら耳の高さより32.15cm上げた位置に。
どうしても天井付近に設置しないといけない場合でも真下に向けるより、リスナーの頭上より握りこぶし1個上あたりを狙うと良好なサラウンドが成立することが多いから、いろいろ試してみてね。
高さは15度上げ角度をつけずに水平に、115度の横後方から狙うときのサラウンド感が好きだ。
サラウンドスピーカーの角度などを正確に合わせる為に、レーザーを使うと更に精度があがるよ⬇️
5.1chホームシアターは常にサラウンドスピーカー設置の問題がつきまとう
サラウンドスピーカーを少し高い場所に配置してもいいことはわかった!
でも肝心の設置が難しい…
高いとこにどうやってスピーカーを固定するの?
家の壁や天井への加工は嫁が許さない…
このサラウンド置けない悩みは各家庭、人それぞれだからぼくもなんとも言えない…
ぜんぜん参考にならないかもしれないけど、部屋の4隅にスペースがあって高い位置にサラウンドスピーカーやアトモス用のスピーカーを固定したい人にこういうのもある👇️DIYで安い!
多くの場合、フロントスピーカーにお金をかけようとなる。
そうすると単純に音質は良くなる。しかし、5.1ch映画サラウンドを気持ちよくしようとしたら、サラウンドスピーカーを上手く配置してミックスさせないとね。
安いスピーカーでも、ちゃんとサラウンドのバランス調整がとれた5.1chシステムの音ってなかなかいい。
細かいフォーカスや、解像度、ノイズっぽくない、低音の厚みとか言い始めるとキリがないけど、「映画館っぽい音」はちゃんと実現可能。
映画を5.1chで感動的に再生するコツは、全てのスピーカーからの音を上手にミックスさせること。
後方、周囲の音がやや寂しいなぁ…と思って映画を観るのが「サラウンドの調整がうまくキマっていない5.1chの宿命」みたいなとこあるからさ、
って言葉にするとどんな感じよ
もし後ろから音がしても「右サラウンドスピーカーが鳴ったかな?」
とスピーカーの存在を感じたら醒めてしまうよね? おもちゃみたい。
AVアンプのエフェクト等も、個々に測定すると、サラウンドスピーカーの音量を持ち上げてサラウンド感を高めているモードもある。*ダイナミックボリューム等
ぼくとしては安易にサラウンドのレベルを上げるより、この記事で解説した、115度後方、15度上げ設置、頭上握りこぶし1個上アングルの基本設置をしっかりやってもらう。
その上で適正レベルで視聴したほうが映画サラウンドがすべてのシーンで破綻なく楽しめる気がするよ。
自然な包囲感があって、各スピーカーからは全く音が出ていないように聞こえる状態。スピーカーのない空間に明確に音が存在する感覚を目指してセッティングしよう。
安いスピーカーでもバッチリ調整が決まったシステムを持とう。