細かな数値の話ではなく、実際に映画を楽しみながら聴き比べた時、ドルビーデジタルプラスはどう感じる?
多くの人が体感できるほどの高音質?
結論からいうと、大きく変わらない。
もちろんたまたまドルビーデジタルプラス環境があるなら、それで楽しめばいい。
例えばNETFLIXやAmazonプライムビデオはドルビーデジタルプラスのフォーマットで配信してる。
確実なのはファイヤースティックをAVアンプに直挿しして鳴らすこと。そうすれば必ずドルビーデジタルプラスで映画が楽しめる。
テレビのアプリで再生する場合は接続機器によって、ドルビーデジタルプラス非対応でも、最低限ドルビーデジタルで再生できる。
現在何かの理由でドルビーデジタルプラスに対応していないとしても、それだけの理由で機器を新規で買い換える必要はあんまり感じない程度の差。
ドルビーの音声フォーマットの種類
ドルビーの音声フォーマット(コーデックともいう)には進化してきた歴史がある。
細かくはもっとあるんだけど、だいたいこんなイメージ
⭐ドルビーデジタル(1992年バットマンリターンズが初の5.1ch)
⭐ドルビーデジタルプラス(2005)
⭐ドルビーTrue-HD(2005)
※ドルビーアトモス(2012)はオブジェクトオーディオというサラウンド方式だから、音声フォーマットとはちがう。
だからBlu-rayの映画ソフトにはドルビーTrue-HDでアトモス音声が収録されてるし、NETFLIXのアトモス音声配信はドルビーデジタルプラスで配信されてる。
どんな人でも、できればより高音質なもので映画を楽しみたいと思うじゃん?
そうすると…
「やっぱりドルビーアトモスだな!」
「ただのドルビーデジタルは音がショボいんじゃないかな?せめてドルビーデジタルプラスにしよう」
となるよね?
ドルビーは高音質という表現をしてるけど、要するにデータ圧縮の程度の違いなんだよ。
ドルビーデジタルはマスター音源から、肝心な音質はなるべく損なわないように、だけど圧縮は大きくかけて、データ量をコンパクトにしてるから、製作側としても使い勝手がよくて広く使われてきた。PS3なんかでもほぼ対応してる。
それに対してマスター音源そのものとも言える、
ドルビーアトモスなどに使われるロスレスの音声フォーマット、ドルビーTrueHDがある。
マスター音源から音が劣化しないからいちばん高音質ということになっている。
この両者の中間のビットレートのフォーマットがドルビーデジタルプラスということなんだ。
TrueHDはBlu-rayで映画を見る人にはお馴染みのマークだとおもう。次世代光ディスク用のフォーマットということでスタートしたみたいだからね。
これは音いいよ。ぼくはブルーレイって最初は、画像が奇麗!と思ったけど、最終的には音がいい!って思ったからね。中古のBlu-rayプレイヤー(100%じゃないけど、対応してる製品はけっこう多い)や、AVアンプ(2012年以降は100%)でも基本的に対応してるし、再生ハードルは高くない。7.1chが標準だけど5.1ch環境があればダウンミックスしても再生されるから楽しめるよ。
ただし、ぼくもそうなんだけど、Blu-rayプレイヤーに電源入れる頻度は減った。TSUTAYAとか閉店してるし、時代の流れ。
かといって自分でBlu-rayソフトをAmazonとかで買うのはよほど気に入った作品かな。
VOD主力の現代において、Blu-rayで見ることばかり想定しなくてもいいと思う。
ということでドルビーデジタルには、さらに上位のフォーマットが用意されているけれど、実用ベースではドルビーデジタルプラスが再生できれば上出来なんだ。
ドルビーデジタルとドルビーデジタルプラスの音質の違い
さて、ドルビーデジタルユーザーは少し安心しただろう。
で、
ぼくの環境を少し説明すると
Blu-rayプレイヤー→ドルビーtrueHD
ノートパソコン→ドルビーデジタルプラス
デスクトップパソコン→ドルビーデジタル
fire stick TV4k→ドルビーデジタルプラス
ソニーブラビア液晶テレビ→ ドルビーデジタル
えっ、なぜデスクトップパソコンがドルビーデジタル止まりなの?
と思うでしょ?
2台のパソコンはどちらもウインドウズ10のNetflixアプリで再生してる。
しかし、まさかのHDMI端子なしなのよ。デスクトップが!
ドルビーデジタルプラス はHDMIのバージョン1.3以降じゃないと伝送できないらしい…とにかく光デジタル/同軸デジタルケーブルでは無理みたい。
話すと長くなるから興味ある人は⬇️
というわけで、とてもお手軽にドルビーデジタルとドルビーデジタルプラスを切り替えて音質の違いを確かめられる環境なわけ。
ぼくでさえ、ドルビーデジタルプラスで聞いていると勘違いしながらドルビーデジタルで映画観てることも多い。
AVアンプの表示を確認して、あれっ!違うじゃんとなる。
つまり、聴き比べ環境がある特殊な人が、同じ映画を再生してやっとドルビーデジタルプラスのほうがやや高音質であることがわかる程度。
真面目に説明すると、どれも僅かではあるんだけど…
ややサラウンド感が上がる。例えばドルビーデジタルでなかなかスピーカーの存在が消えない(もろにスピーカーから鳴っている感じ)ような5.1chシステムがあったとする。
これをドルビーデジタルプラスで聴くとサラウンドスピーカーの音が上手く溶け込んで自然な空間に感じる傾向がある。
つまり、調整が甘くてもサラウンド感を出しやすい。
同じ設定だとやや低音が締まる。本来はこちらが正なんだろうけど、人によっては、低音が痩せた、迫力がなくなったと感じる人もいると思う。サブウーファーとのクロスオーバー設定と音量は好みに合うように再設定してもいいだろう。
やや音のフォーカスがはっきりする。画面上で音の位置がはっきりするから、ヘリコプターの移動シーンなどを利用してAVアンプ調整や、スピーカー設置角度などの調整をしやすい。
音響の調整の基本だけど、調整するときはできるだけ高音質なフォーマットで調整をしよう。可能であればドルビーデジタルよりドルビーデジタルプラスで。
大切なのは映画の元の収録、作品の差が音声フォーマットの差を圧倒する
「カンフーパンダ」を知ってるかい?
この映画の音響は、聞いていて楽しい。
逆に最近の映画でも音響が退屈な映画も沢山ある。
要するに、ぼくが解説してきた音声フォーマットの差というのは同じ環境で比べた時の優位であって、絶対的なものではない。
つまらん音響の映画のドルビーアトモスより、カンフーパンダのドルビーデジタルのほうが心に響くだろう。
作り手の音響へのこだわりとか、情熱が100倍重要だ。ハードよりソフトが大切なのはゲーム業界なんかと一緒だと思う。
だから、必要以上に音声フォーマットに拘るより、基本のドルビーデジタル5.1chサラウンドをとことんまで追い込んで(鬼調整)お気に入りの奇跡のサラウンド環境を手に入れよう。
映画を楽しむには、その世界観に入り込むことが大切、雰囲気が味わえるようなサラウンドを目指して鬼調整しよう!
お金ないけどサラウンド5.1chやってみたくなったら(^^)/