車好きで、カーオーディオこだわる人は多い。
でもそれは 2.0や2.1ch。上級者になるとフロントマルチだったり、
つまり…音楽再生メインのステレオユーザーなわけだよ。
カーオーディオではざっくりピュアオーディオ系と音圧系があるようだけど、映画音響のリアルサラウンドドルビーアトモスや、5.1ch等のサラウンド系は絶滅寸前といっていい。
「せっかくサブウーファーを積んでるんだからドルビーアトモスに対応させて映画館みたいなド迫力の…」というニーズもあるにはある。
まずは「車でアトモス(7.1ch)のシアターカーの作り方」動画を見てほしい↓
今までのカーオーディオでは5.1chのリアルサラウンドは黒歴史…というと怒られちゃうかもしれないけど、ぱっとしなかったわけ。
しかし、上の動画のように、もうアップルTV4Kや、ファイヤースティック4KMAXを車内に持ち込めば、4KHDRでドルビーアトモスという映画館クオリティで楽しめるのよ。
カーオーディオから移行しようとすると、逆に電源やら、車載アンプやらに執着してホントの高音質にいけないのだ。
カーオーディオもしっかり取り付け調整するとけっこう臨場感のある映画音響になる。
ぼくはホームシアターとカーオーディオを両方楽しんできたから感じることがあって、
車の2chステレオ(フロントのみ、リアは鳴らさないシステム)で映画を観ても、運転席と助手席で映画を観る分には普通に楽しめる音響なんだよ。
車は狭い密閉空間だから、映画サラウンド音響としては、ホームに比べてルームアコースティック(音の反射、反響、空間の狭さ)の調整がムズいと言われる。
特にツーイーターの高音域の反射がキンキンやかましい問題とか、エンジンをかけてしまうと、低音域がマスキングされる問題とか普通の部屋ならそこまで気にならないことの連続だ。
カーオーディオは音楽の再生ではかなり難易度が高いけど、映画音響については、この狭く密閉された箱型のスペースが、予想外の臨場感を生むこともあってけっこう好きだ。
そんなわけで、車では5.1.2chもしくは7.1chのアトモスにしている(音楽再生との両立がムズいという理由もある)
近年ようやくファイヤースティックのようなサラウンド対応再生デバイスとか、AVアンプとか、ポータブル電源、ミニモニターがいろいろと急速に進化してきて、
と思った。
ということでぼくの愛車モビリオをドルビーアトモス5.1.2chもしくは7.1ch再生まで可能なシアターカー仕様にしてみたので、その方法を詳しく解説するよ。
このモビリオのドルビーアトモスを実際に聴きたい人は↓
この記事はアルファードなどの大型ミニバンをカスタムしまくって特別な空間にしたい人、同乗者、ゲストに最高のリアルサラウンド空間を提供したい人。
車種問わず、自身の愛車を映画館にしたい!という映画好きの人にも参考になれば幸せだ。
目次
車で本格5.1ch(7.1)サラウンドやドルビーアトモス再生に必要なもの
サラウンドは値段じゃない、設置と調整次第で安いスピーカーでも化けるから最後まで読んでくれ!
必要なものリスト5品
①ホームシアター用AVアンプ(5.1ch以上、AC100Vコンセントのもの)
②ファイヤースティック(第三世代ノーマルか4KMax)とNETFLIXやYouTube再生に必須のWI-FI環境(ポケットワイハイかスマホのテザリング)
③ポータブル電源
④外部モニター(10~15インチぐらい、フロントのナビの画面でも可だがもう少し大きなものを別途用意するのがベスト)
⑤小型スピーカー必要数(フロントのドアスピーカーを使うなら、あと最低2個用意すれば4.0chでもOK!、本格的に5.1chやるならサラウンド2個とセンター1個、サブウーファーが必要、リアルアトモスならさらに2個必要)
カーオーディオとしてやる!と意気込むと電源、接続、アンプ、スピーカー全てにおいてといろいろ難しい問題がでてくるので、発想を変える。
予算的なことが気になる人はこちらの記事が参考になる。
ここからはホームシアターとほとんど一緒だからね。
というわけで、まずは最重要のAVアンプから順番に解説するね。
車でドルビーアトモスのAVアンプの選び方
予算のある人や、ドルビーアトモス再生が絶対条件という人はアトモス対応アンプがオススメ。
X1700HというAVアンプはドルビーアトモス対応アンプとしてはエントリークラスだけど、車内で使うにはすでにオーバースペックなぐらいの機能がてんこ盛り。
これ以上高価なAVアンプを使う意味はないどころか、消費電力や本体重量、本体サイズが肥大することを考えるとむしろマイナスなくらい。
その理由はドルビーサラウンドという優秀な音響モードを備えているから。
ドルビーサラウンドって何?という人は↓
アトモスアンプが予算的に厳しい場合は、中古の1万円前後で狙えるアトモス非対応の5.1ch~7.1chアンプにしよう。
しかし、安いからといっても年式が古すぎるモデルではダメ!購入する時に確認するべき最低限のスペックがあるのでこちらで要確認だ↓
カーオーディオからサラウンドに興味をもった人、サラウンド未経験の人には誤解を招きやすいので補足しておくと、
映画音響において、
「ドルビーアトモス対応アンプは音が良くてアトモス非対応のアンプの音質はアトモスアンプより落ちる」という認識は間違っている。
車に例えると4WDやFRといった駆動方式の違いぐらいとおもっていたほうがいい。
どっちが速い?というより車種によるじゃん。
ぼくは現在4台のAVアンプを使ってるけど、いちばん音がきれい(SNが高くて好き)なのは12年前のONKYOのアトモス非対応アンプだったりする。
だからアトモス非対応だからといって悲観する必要はないよ。
但し年式の新しいアトモスアンプのほうが調整機能やサウンドモード洗練されているというのはあるから、調整自由度の理由から可能ならアトモスアンプをオススメしたい。
映画作品も同様で、あまりピンとこないアトモス作品もあれば、アナと雪の女王2、カンフーパンダのような5.1chでも超ド級のサラウンドクオリティ作品もある。
だから中古の5.1chAVアンプは音がいまいちとか侮らないほうがいい。
だって10年少し前の製品といっても当時は6万~10万円したようなオーディオ機器でホームシアター用につくられてる。
音にうるさいオーディオマニアのおじさん達にバカにされないような音じゃなければリビングに置いてもらえない環境で鍛えられた製品なんだ。
言ってはわるいけど、同じく10年以上前のカーオーディオ製品とはちょっとレベルが違う。
車にファイヤースティックとWI-FI環境を用意する
理由はいろいろあるんだけど、車でサラウンドを楽しむならファイヤースティックを用意するべきだ。
声で検索など、車での操作性が抜群なのと、ファイヤースティックじゃないと豊富な映画配信サービスのサラウンド再生ができない。
でね、ファイヤースティックを使うとなると、Wifi等のネット環境が必要になる。
ダウンロードができない仕様。あと、スマホにダウンロードしてHDMI変換しても5.1ch等のサラウンド音声はダウンロード非対応だからムリなのよ…
車でファイヤースティックとWifiを使う詳細については下の記事を読んでくれ↓
車でドルビーアトモスはポータブル電源がベスト
移動式ホームシアターカー、モビリオで使っているポータブル電源はMaxPowerのMP700Jだ↓
これからのオススメは断然ポータブル電源。
普段から車のバッテリーや電装関係を扱うのに慣れていればインバーターでもいいんだけど、別途サブバッテリーを用意しないと、エンジンをかけながらじゃないと動作しないシステムになってしまう。
停車中にアイドリングしながら映画鑑賞はエコじゃないし、マナーも悪いし、何よりも音響に悪影響がある。
エンジンを切って、車内の騒音を極限まで減らすのが、映画サラウンドを高音質で楽しむ秘訣だ。
カーオーディオ、カーサラウンド用にポータブル電源を買うときは、ファンの音がしない静音のを選ぼう
とはいえポータブル電源も決して安いものではないので、エンジンをかけて安価にインバーターでやるなら、
定格で300wクラスのインバーターが必要になり、バッ直か別にディープサイクルのサブバッテリーを用意しなきゃいけない。
それらの予算をトータルするとポータブル電源買うのとあんまり差がない時代になっていることに気がつく。
しかもポータブル電源は船舶用のディープサイクル鉛バッテリーに比べて異次元の長寿命、軽量化、費用対効果がある。
「ぼくの映画館」ではもう車の電装はポータブル電源一択と言いきりたい!
もしもの災害時の備えにもなるし、もう車のメインバッテリーに負荷をかける時代ではないよ。
話はインバーターに戻るけど、アクセサリーソケットから取る120~150Wクラスのインバーターだと消費電力がギリギリになりやすいからAVアンプを安定してドライブできない。
ぼくはギリギリで使うので、ホントによくアクセサリーソケットの10Aのヒューズを切ってしまった苦い過去がある。
それがめんどうなので、車のバッテリーから直接電源をひいてきて、リレーをかませてから、DCソケットをアクセサリーソケット経由じゃなくてバッ直(バッテリーから直接配線を取ること)だと、電力消費量が大きくなったときにダイナモの発電が追い付かなくてバッテリー上がりの危険性もある。
やはりポータブル電源が最適だ。
ただし、十分な容量を確保しようとすると、4~6万円~ぐらいはする。
初期導入費用がやや高いのがネックだけど…
ポータブル電源でも、車で使うのがメインなら、充電しながら使えるパススルー充電に対応しているモデルなら完璧だ。
少し詳しく説明すると、
車のアクセサリーソケットに車用インバーターを接続してコンセントが使えるようにしている車両があるとして…
①インバーターのコンセントにポータブル電源のAC充電ケーブルを接続してAC充電。
②車用インバーターは外して、車のアクセサリーソケットに直接ポータブル電源のDC充電ケーブルを接続してDC充電。
車内で使用するAVアンプ、ファイヤースティック、サブウーファーなどの音響機器の電源は全てポータブル電源からとるというのが理想だ。
更に充電を強化したいなら、車のルーフにソーラーパネルを設置すれば完璧。
このようにしておけば、走行中、エンジンオフで停車中どちらもバッテリー残量をあんまり気にせず楽しめる。
車で映画鑑賞にオススメのモニターを解説
ぼくが使ってるのは14インチ4KHDRのこれ↓
画面サイズは悩んで14インチにしたんだけど、5ナンバーミニバンや、アルファードなどの大型ミニバンなら14インチ最適だと思う。軽自動車の場合は10インチくらいかな…
気になるモニターの消費電力だけど、
14インチ4KHDR対応モニターで最大輝度にして約15~25w程度だよ。
車でドルビーアトモスにオススメのスピーカー
フロントスピーカーはもちろんフロントドアスピーカーを使おう!
ノーマル(純正スピーカー+デッドニングなし)だと低音がブーミーなのはある程度妥協しても、まずまずの口径があるので量感が稼げる。
5.1chサラウンドの場合、独立した低音メインのLFEチャンネルをサブウーファーから出力するので、純正ノーマルでもサブウーファーとのクロスオーバーを調整すればドアスピーカーで十分サラウンドは楽しめる。
フロントスピーカーはサラウンド音響のメインとなるスピーカーだからいちばん重要だ。
車のドアスピーカーは低い位置に設置してあるので音場が低くなりがち。
特に純正スピーカーの場合、多くの場合フルレンジだからツーイーターがない。
映画サラウンドも音楽も可能ならツーウェイスピーカーにしてモニター映像とのステージの高さをなるべく揃えたいところだ。
ぼくのモビリオはアルパインの15年前のDDLの17cmをずっと鳴らし続けているよ。
↓これが現行モデルかな?
アルパインのこのモデルはずっと「ベストボーカルスピーカー」というキャッチコピーで売ってきただけあって、女性ボーカルとか綺麗でそこに惚れてるんだよね。
もちろん映画サラウンドのフロントにも使える。
ぼくのモビリオは軽くデッドニングしているけど、アルパインの17cmはAVアンプの自動音場補正機能で「大」(サブウーファーとクロスオーバーさせずにフロントchをフルレンジで鳴らす)と判定されるけど、
実際にはフロントchに収録されている低音の下のほうがちゃんとでていないことがわかるから「小」にして40~50hzでクロスオーバーかけている。
この帯域になると映画のほとんどのシーンでは差がほとんどわからないんだけど(特に作品によってはここまで低いところは入ってなかったりもする)
たまにやってくる重低音のシーンで締まりのある低音が出てカッコいい。
フロントスピーカーの低音域は映画コンテンツで調整するより、音楽コンテンツで調整したほうがわかりやすいよ。
サラウンドスピーカーは↓
これはYAMAHAがアメリカで販売してたスピーカー。
ハードオフでペアで2400円で購入。
特に高性能というものではないけど、造りも頑丈なのでモビリオのサラウンドスピーカーとした。
口径9cmほどのウーフアーは狭い車内だとサラウンドスピーカーとしてはやや大きいかなと思うけど、鳴らしてみるとドアスピーカーとの繋がりも良かったので決めた。
こういう普通の安いスピーカーでもサラウンドは楽しめるよということを伝えたいからという理由もあった。
もし、今サラウンドに使いたいスピーカーをもってない!という人にはこれ↓1本5,000~6,000円で新品が買える。
車のサテライトスピーカーでは有名なパイオニアのこれ↓もいいと思う
機会があればぼくもこれ使いたいくらい…
次にサブウーファー↓
カーオーディオでパッシブのサブウーファー10インチとか12インチ1発を積んでいる人はそのまま使える。
口径が大きいと、映画表現では雰囲気を出すのに有利だからね。
コンセントで車用のサブウーファーどうやって鳴らすの?という人は下の動画をみて欲しい↓
これから映画サラウンド用にサブウーファーを用意したいという人はホームシアター専用品を使おう↓
口径は大きくないものの、広がりと量感のある映画表現に有利な低音がでる。
しかも、カーオーディオ製品と比べると圧倒的に安い。
ただし、車で映画だけでなく音楽を高音質に再生したいという人は要注意だ。
このサブウーファーも十分な性能ではあるけど、音楽コンテンツで締まりのある低音にこだわりたい人はちょっと不満に感じる可能性もある。
すでにサブウーファーを鳴らしている車で、オーディオがいい音響に仕上がっているという人は、無理にホームシアター用のサブウーファーを買わずに5.1chを組んでみたほうがいいよ。
また、AVアンプを買ってしまうと、予算的にサブウーファーやセンターまで用意できないという人は4.0chではじめてもぜんぜんOKだ。
次はドルビーアトモス用スピーカー(トップミドルスピーカー)
AVアンプが7chだと天井に1組ドルビーアトモス用のスピーカーを設置できる。
9chアンプならトップフロントスピーカー1組、トップリア1組の合計4個のアトモススピーカーを天井に設置できるよ。
ぼくのは5.1.2chシステムなのでトップミドルスピーカー(リスナーの頭の真上に設置する)としてこの位置に設置、※現在は7.1chアトモス
※現在はパイオニア TS-STX510-B サテライトスピーカーを使用
小型スピーカーで車内サラウンドでは十分な性能があるということを伝えたい。
設置位置は写真のように運転席、助手席のリスナーを想定した場合はBピラー上になる。
本来アトモスの天井スピーカーは真下に向けて設置するものとされているんだけど、
車の場合は、そもそも高さも近いし、効果的な設置はムリがある。
しかし、意地でもやろうと試行錯誤したところドアスピーカー同様、対向やや上向きに設置が現実的。
ホームシアターに比べるとかなり高さ表現に余裕がないし、位置の描写も曖昧にはなる。
これもやはりセオリーはあるので、少しでも素晴らしいドルビーアトモス体験をしたければ知っておこう↓
シアターカー、サラウンド音響システムの組み方
普通の乗用車にはスピーカーが2~11個ぐらいついてる。車種によりけりだけど、まぁ、4個ぐらいが多いのかな?
車で5.1chサラウンドの場合も基本のAVアンプによる自動音場補正機能を使うのが大切。
自分の聴覚だけで合わせるのはムズい。
これと、センターコンソールに収まっている純正ナビ。
例えば、AVアンプを車内に持ち込むと、車のフロントドアスピーカーの内張りを外し、スピーカー交換のような手順でAVアンプに直結するためのスピーカーケーブルを引き直さなければいけない。
これは普通の感覚だと、めんどう、難しそうと感じてしまう。
このサイトを見てくれるような人は、半分ぐらいはそんなの余裕!というDIY好きだと思うので、フロントについては可能なら配線し直してでもAVアンプにバナナプラグなどの処理でも構わないので、接続してしまうといい。
いちどドアスピーカーからケーブルを引いておけば、その後ピュアオーディオにいきたければ、USB-DACでも、真空管アンプでも自由に接続してフロントスピーカーを活用できるメリットは大きい。
特に純正スピーカーから、社外品に交換するときに、ついでだから軽いデッドニングとケーブル配線はあわせてやってしまうと効率がいい。
つまり、最新のポータブル電源を使ってオーディオをコンセント化してしまえば、発展性は無限大。ホームの機材が全て使える。
車の純正システム(ナビ)に拘ると、システム変更の度にとにかく大変な労力を要する。
びくびくしながら純正のセンターコンソールを外したり、作業中ビスを1本なくしてしまったり、途中で日が暮れてきて暗くて作業しにくいなんてことから解放される。
もう割高なカーオーディオ製品に拘らなくていいから、高音質も狙える。
ぼくは車を買うとき、設定があればオーディオレスで買っていじってきた(別にお金はたいして安くならないけど、どうせ使わないものが無駄になるのはもったいない)
軽トラとかもともとの装備が惜しくない(←言い方が悪いけど)場合のほうが音響機器をコンセント化しやすいかもね。
AVアンプにカーオーディオ用のスピーカーを接続する時の注意
AVアンプのインピーダンス設定を変更しよう。
インピーダンス設定を行うことで、マッチングが良くなり、AVアンプの最大出力が得られるようになる。
インピーダンスの設定を最適化することで車内では重要な消費電力を抑えることができるよ。
というわけで車内でリアルサラウンドをやりたい!と決めたのならとことんやってみると楽しい。
車で広い場所に行けば、防音もそれほど気にしないで楽しめる。
プライベート空間で映画やYouTubeなどのコンテンツが最高音質で楽しめる。
アイドリングしないで楽しめるのでガソリン高騰の時代にマッチ。ゆくゆくはソーラーパネルで発電しながら無限エネルギーで見れたら最高。