2022年、庶民があまりお金をかけずに、車内でバランスのいい音響を手に入れる方法を真剣に考えてみた。
最初に何をやるのか?
貧乏カーオーディオを始めて今年で27年になる。
まず、ショップや業者にお願いしようと考えている人はこの記事を読まないほうがいい。
この記事の考え方は、商売としてやらないといけない人達には嫌がられるからだ。
カーオーディオに限ったことではないんだけど、オーディオ業界の宿命として
この秩序を守らないと業界として成り立たない。
長く続いたこの流れも、特にここ3年で変わってきた気がするんだよ。
もうあんまり高い商品を買うのはやめよう。
ぼくは、高い商品は値段ぶんの価値がないと言ってるのではない。
高いものは依然として安い商品ではとうてい出せない音が出るものが多い。
そうではなくて、安い商品のレベルが爆上がってるという話だ。
それを象徴するふたつの商品がある。
これらの価格は1000円、2000円の世界だ。
もちろんこれを車内に持ち込んで鳴らしなさいということではないよ。
カーオーディオとは直接関係はないんだけれど、一般人の欲しがる音響レベルと価格の関係を深く考えさせられる商品だ。
2022年までのカーオーディオ
音の出口は最重要!スピーカーを交換しよう。
いいヘッドユニットに交換しよう。
デッドニングしよう。
DSP(タイムアライメント等)を使おう。
全て一度は耳にしたことがあるんじゃないかな?
カーオーディオショップからの、音質アップの定番の提案だと思う。
例えば、スピーカーだけでも交換してみよう!となると、Amazonで2~3万円でこんな商品が目にとまる。
*このスピーカーはお薦め。ぼくもアルパイン愛用してる
さらにショップを調べると、提案されるスピーカーが5万円クラスの海外ブランドのものだったりする。
それに当然作業工賃が上乗せされる。
オーディオに興味ない人からしたら、スピーカーユニットごときでペアで2万円越えたら相当コスパ悪いのよ。
だってほぼ聞き分けられないような音の差で数万円も違うんだから。
でもぼくらは、スピーカーが好きすぎて感覚狂ってるから(笑)、平気で高いのを求めるだけなんだ。
ホームオーディオを含めぼくはいろいろスピーカーを聴き比べてきたけど、コスパだけの話をすれば、なんとなく下のグラフの印象をもってる。
それ以上は、好みの音やブランドのもつヒストリーを買うことになるんだよ。まさに道楽の世界が無限に広がっている。
それでもカーオーディオは素晴らしい!
ぼくはお金をかけずに、高音質を狙う、庶民のホームシアターを研究してる。
5.1chサラウンドというやつだ。
映画はサラウンドが楽しい。
そして音楽はステレオで聞いている。
スピーカーを理想の場所に配置して静かな環境でしっとり聞けるから、自分の家で聞く音楽はなかなか高音質。
で、カーオーディオなんだけど、ぼくは意外とカーオーディオの音が好きなんだ。
まず、よほどのお金持ちでなければ、車の中が一番ボリュームを上げて音楽に浸れる。
他人に気兼ねせずに。
これはホームシアターやってる人ならわかると思うけど、近隣住民の迷惑ももちろんだが、意外と多いのが理解のない家族や同居人からの、
こういう制限から自由になれる車内はとても幸せなんだ。
サブウーファーの低音を身体で感じることができるのも素晴らしい。
部屋で上品にステレオ趣味やってるよりご機嫌なサウンドを楽しめる。
カーオーディオって少しバカにされる時ない?
ピュアオーディオファンから、(ピュアってw)
「あんな環境で音楽ムリだから…あいつら本当の音わかんないんだよ…」みたいな雰囲気。
実際はこんな意地悪な感じじゃないけどね😁
他のジャンルの音響に比べると格下にみられる傾向がある。
ぼくは上記の3つの音響ジャンルをバランス良く楽しんで生きてきた。
その印象を言わせてもらうと、「カーオーディオは、音質とコスパだけにこだわるなら、あんまりカー専用品にこだわらないほうがいい」
本当にカーオーディオ初心者の頃って、スピーカーケーブルから、デッキからスピーカーまで「全て車専用商品を使わないと壊れる。または音が出ない!」と思い込んでるぐらい無知だった。
今は、ホームのオーディオ機器との垣根がなくなってきているからどんどん流用すればいい。
電源の問題を気にする人も多いだろうけど、これからのカーオーディオは直流(DC12V)じゃなくてコンセントの時代だと思うのよ。
デジタル化した最新のオーディオは省エネなのでパワーアンプ以外のものはUSBなんかでも対応できるよ。
カーオーディオは見た目も重要
でもね、カーオーディオは音がいいだけじゃダメなのさ。
見た目のクールさが重要視される。インストールと呼ばれる。
この技術が高い人はインストーラーと呼ばれ重宝される。
どちらかといえば、これからのカーオーディオは一部の富裕層のイケてる車に高音質なオーディオ機器を美しくインストールする技術がある職人だけが生き残る世界だろう。
「いい感じに仕上げときました。端数はサービスで200万円でいいですよ」みたいな感じ。(よくわからんから妄想だけど)
ぼくみたいなアマチュアの貧乏人が、ちょっとの投資でカーオーディオのショップに依頼しても、その音質に対しての満足感は金額に見合わない可能性が高いということ。
だからといってぼくの車みたいに配線ごちゃごちゃもみんなは嫌でしょ?
車内をお気に入り空間と考えた時、インテリアとして純正風の見た目を維持したいという問題もある。
だから、この記事読んでる人も見た目は損ないたくないなぁ…という思いだろう。
そこでなるべくスマートに気持ちの良い音を出す2つの方法を紹介するよ。
完全純正からいい音にする方法は2つ
⭐チューンナップサブウーファーを設置
⭐USB-DAC(ポタアン、ヘッドフォンアンプ等)を設置してハイレゾ再生まで対応させる
この2つでお金をあんまりかけないで、純正のインテリアを損なうことなくバランスのいい音を実現することができる。
サブウーファーはまず最初に導入したほうがいい。
理由は調整の練習が必要だから。
サブウーファーの調整をとことんやってみないと、低音の仕組みを理解できないんだ。
ぼくは、ホームオーディオや、ホームシアターのサラウンドなど26年間試行錯誤して、自分の好きな低音の量感に調整できるようになった。
そんなバカな!
と思われるかもしれないけど恥ずかしながら本当の話。
センスのある人は1か月で調整できるようになるかもしれない…
というわけで、その後どんなシステムに発展させるにもサブウーファーの調整は練習した方がいい。
逆にいえば、サブウーファーの調整さえできるようになってしまえば、その後のオーディオライフは全て楽しくなる。
でね、
サブウーファーを純正ナビの状態で導入しても越えられない問題がある。
これは最初ちょっとわからないと思う。
純正のカーオーディオはそれだけでシステムとしては完結しているから、新たに低域だけを受け持つスピーカー(サブウーファー)を増設できるように作られていないし、接続してから最適に調整する機能(クロスオーバー設定)もない。
当たり前だよね。余計なものはつけられないとてもシビアなコスト計算されていることで有名なのが新車開発だから。
チューンナップサブウーファー接続に関しては100人のYouTuberが解説してくれるけど、フロントスピーカーのハイパスがかけられないことには誰も触れないまま「低音の迫力が良くなりました」で終わってしまうからしっておいた方がいいよ。
ハイパスフィルターのない純正ナビにサブウーファーは無駄なのか?
という疑問に対するぼくなりの答えがこれだ⬇️
もしサブウーファーを導入して音が悪くなったとか、この程度の製品(値段)では意味なかったと感じるようであれば、製品の性能を疑う前に、自分の調整はあっているだろうか?というのを考えたほうがいいと思う。
ケンウッドや、カロッツェリアが、2021年の段階で販売しているチューンナップサブウーファーは省エネのクラスDアンプ。
以前のぼくのように全てバッテリーから太い配線を車内に引き込むなどの面倒なDIYは不要。
純正ユニット背面の作業で電源と音源が全て取れるから難易度は低い。
カーオーディオはお気に入りの車の何かを引っぺがす。バラすというのに最初はとても抵抗があるし、怖いものだ。
ぼくも昔怖かった。今みたいにネットで全て写真や、動画で見れなかったから。
でも今はYouTubeや、サイト検索、メーカーのページでどうにかなる。
チューンナップサブウーファーの設置は大いに検討してみる価値ありだ。
「単品サブウーファーに比べたら、チューンナップサブウーファーなんてオモチャ」という人もいるかもしれないけど、気にしなくていい。
音圧のナントカ大会みたいなの出場するなら別だけど、いい音響を実現するなら調整しだいだから。
どっちがいいとかじゃなくて、必死に調整して気持ちのい音が出せれば楽しい。
YouTubeで「サブウーファーつけてみたー!」みたいな情報は多いから、検索すれば取り付け方法に困ることはない。いくつか見てから自分でDIYしてみよう。
取り付けはこれでクリアできると思う。しかし、いちばん重要な取り付け後の調整については触れていないことがおおい。
低音域を強調するためだけに付けるのではなくて、音源に収録されている本来の音を全部バランス良く鳴らす為に導入するという考え方でいこう。
これはぼくのホームシアターの記事だけど、大切なサブウーファー調整の方法だから参考にしてほしい⬇️
というわけでサブウーファーを設置して、調整できたら次に…
USB-DAC。これは安くはない。
しかし、ハイレゾ24bit/96khz対応以上、中古でもそれなりの製品を使いたい。
予算に余裕があって間違いないものが欲しければ👇
まずわざわざ買うのではなく、たまたまもってる人は試してみよう。
普段からスマホでポタアン(ポータブルアンプ)からヘッドフォンで音楽を聴いている人はわりと簡単に試せるはずだ。
USB-DAC(ポタアン含む)とはデジタル信号をスピーカーで鳴らせるようにアナログ信号に変換するものだ。
純正の場合はその処理(デジタル⇒アナログ変換)はカーオーディオのデッキの内部で行われる。
最終的な音質はデッキの変換性能に依存するから、普通の音が出る(当たり前だけど)
そこで、デッキに音を入力する前の段階で、高性能なUSB-DACにデジタル⇒アナログ変換させることで高音質化するしくみだ。
つまり、
純正デッキのチップより単品DACのチップのほうが遥かに高音質で変換できるということだ。
具体的には、
現在、スマホから純正デッキにBluetoothで飛ばして音楽を聴いているとする。それを…
⬇️
スマホからUSB-DAC(ヘッドフォンアンプ)そこからステレオミニプラグで純正デッキのAUX入力に繋いで鳴らすという方法だ。
USB-DACはすぐに購入するのではなく、いろいろ調べて自分の用途にあったものを購入するといいよ。
参考までにぼくの車はこれを愛用してる⬇️
馴染みのない人にはなんだかよくわからないかもしれないけど、接続を箇条書きで載せておく。
Androidスマホ📱(車載専用にしてる、音楽データやYouTube動画、Netflixダウンロード映画など128G入ってる)
HDMI分配器で映像と音声をデジタル分岐
映像はそのまま9インチ1080Pモニターへ
音声はHP-A3に光ケーブルで
HP-A3からヘッドフォン出力でDEH-970のAUX入力へ
※純正のデッキにAUXで繋げたらそのまま鳴らそう。ぼくの場合はさらに外部アンプに接続して鳴らしてる。
DEH-970は内蔵アンプオフ設定、RCA接続でSA-98Eデジタルアンプへ
SA-98E デジタルアンプからフロントスピーカーに接続
スマホでハイレゾ再生する方法はこれを参考にしてくれ👇️
これで音楽から、YouTube映像、映画まで高音質で楽しめるんだ。
特にハイレゾ配信サービスの低価格化とダウンロードしてのオフライン再生ができるようになった2021年~はカーオーディオのハイレゾ元年とも言える。
純正カーオーディオを高音質にする調整
ここで提案した2つができたら理想的だけど、実施して即高音質というわけではなくてちゃんと調整しなければいけない。
「音が良くなった!」って何をもってそう感じるのか?というのも重要だと思う。
ぼくはそもそも良い音がわからなくてずーっとやってた。
まずサブウーファーを取り付けて鳴らしたら、なんとなく低音のボリュームが上がって迫力があるように聞こえたからOKのように感じる。
そこから、サブウーファー鳴ってんだかよくわからんけど、音が心地よいというところにもっていく。
あとから振り返ったとき、最初の設定はボリューム強すぎたなぁ…となるのが普通。
ヘッドフォンアンプなどを導入した場合はいきなりわかりやすい。
今まで聞こえなかった音が聴こえるから。
あー、この曲バックコーラスあったんだ。
何か遠くで音がすると思ってたけど、鐘が鳴ってたんだ。
といままでおぼろげだったものがハッキリする。音の解像度が高い感じだね。
この解像度を車内で最大に感じる為に重要なのがツーイーターの調整。
これがまたシビアで超難しい!
でもこの記事では純正といっているわけで、ツーイーターがそもそもないというユーザーも多いだろうし、仮にツーイーターが付いていても純正の場合埋め込まれてるから、角度や位置は調整できないから悩ましい。
ぼくとしてはここらへんで満足して音楽を楽しむ、というのもいいものだと思っている。
あと捕捉として加えるなら、AUXからアナログ接続した場合、純正デッキの調整機能は全てオフにして鳴らした方が良い。
イコライザーやラウドネスなどだ。
これらはどうしてもやりたいならD/A変換前のスマホ等のプレイヤーの段階で弄ろう。
USBDAC使っても、AUX接続で最終的に純正アンプで鳴らすなら音が劣化しそう…
と不安に感じる人もいるだろうけど、HP-A3等を導入すると明らかに聞こえなかった音が出てくる。
そのかわり、純正デッキは単純に入力された音をそのまま増幅させることに徹しよう。
せっかくだからもっとというなら、次はフロントツーウェイにしていこう。
この記事でやった全てのことが活きてくるからムダじゃない。
ぼくのサイトにカーオーディオのことも少し書いてある。
「やるとなったらとことん楽しむタイプ」という人は全部読んでから、総合的に自分は何をやるか?判断したらいいんじゃないかな?
細かい音までハッキリ聞こえて、長時間聴いていても疲れない、そして低音は心地よいグルーヴ感がある。そんなイメージを抱きながらぼくは調整をし続けているよ。終わりがない。
カーオーディオは最高だ。