AmazonミュージックのUNLIMITEDプランに加入していると、ドルビーアトモスや、360Reality Audioの2種類の空間オーディオで音楽を聴けるようになった。(対応楽曲のみどちらかに対応)
基本的には「スマホをイヤホンかヘッドホンに接続して聴くと空間オーディオとして聴けますよ」という機能となる。
そしてイヤホン、ヘッドホンなどは普通のものでOKというのもポイント。
ヘッドホン推奨のいわゆる2chステレオ処理されたアトモス音声が配信されてるってどんな風に聞こえるのかなぁ?
ぼくはAmazonミュージックのドルビーアトモスと360Reality AudioをVR専用イヤホンと100円イヤホンで聞き比べたがどちらも音質はそれなりに良かった。
イヤホン推奨とはいってもスマホの内蔵スピーカーでも音は出るよ、でも当たり前だけど、リアルスピーカーで聴くとよくわからないというか「空間オーディオとは?」と感じてしまった。
そこで本格的なドルビーアトモスホームシアターでのリアルスピーカーでも検証した記事もあるので、興味ある方は是非↓
因みにアトモス、360Reality Audioの空間オーディオはダウンロードもできる。
スマホにダウンロードしてオフラインで聴くのもいける。ストリーミング時だけだと思ってたのでこれは意外。
Amazonミュージックのドルビーアトモスをイヤホンで聴いてみた
SONYのXPERIA(Androidスマホ)でアトモスとステレオを切り替えて聴いてみた。
一瞬、Bluetoothヘッドホンで簡単に聴いてみようかとおもったが、
せっかくのレビューだしなるべく細かな音が出そうなシステムでじっくり音楽をきいた。
スマホ⇒ZEN-DAC⇒finalE500
人気のZEN-DACに細かな音が正確に鳴るタイプのイヤホンfinalE500を挿して聴いてみた。
切り替えた瞬間に「おおーっ!」と感動する感じはない…
そもそも音楽だからなのか、映画のアトモスみたいなハッキリとした定位感はない。
イヤホンだからそのあたりはもっと期待したんだけど、ぼくの耳がおかしいのかよくわからない。
あと映画ではアトモスの特徴として低音域に重さが伴い、迫力が明らかに増すというのがあるんだけどヘッドホンアトモスはそういう感じがないね。
サブウーファーがないから、身体を震わすボディソニックみたいなのはない。
いくつかの楽曲を再生してみたんだけど、明らかに音量が違うものがけっこうある。
これがまた比較を難しくしてくれる。
ステレオからドルビーアトモス(これも加工されたステレオだけど)に切り替えると明らかに音量が小さくなるものが多い。
ぼくの感想は、ドルビーアトモスにすると包囲感や空間の広がりは感じ取れなかったが、ステレオに比べて音がマイルドに漂う感じがした。
反対にアトモスからステレオに切り替えるたほうが差がわかりやすい。
ステレオは音が強く耳に直進してきて圧を感じる。
そして完全に頭の中心で音が鳴ってしまう。
ぼくはイヤホン苦手なんだけど、この頭の中心で音像が定位する感じがダメなんだよ。
どんなに高音質といわれてもね…
だから映画もヘッドホンとかイヤホンで楽しむより、リアルサラウンドスピーカーで楽しむ派。
しかし、今回ドルビーアトモス処理された音楽を聞いてみて、改めて普段イヤホンで聴くステレオ音楽はこんなにもハッキリと強い音だったんだなぁ…と思った。
女性ボーカルで高音域ウルサい系の曲聴くと、けっこう頭の芯にきて疲れちゃうことあるじゃん?
それがアトモスにして聴くと頭の中心で唄っていたボーカルがおでこの前あたりで唄う感じになる楽曲があったのよ。
イヤホンでの長時間リスニングにはアトモスで聴いたほうが聞き疲れないし、リラックスして聴ける楽曲もいくつかあった。
ステレオって、ちゃんと聴こうとすると、無意識のうちに身体が構えちゃってるときあるからね。
切り替え直後の直感的な好き嫌いだけじゃなく、1時間ぐらい聴いて比べてみたときにリラックスできるとかの差がでてるくかもしれないよ。
でね、ぶっちゃけAmazonミュージックの空間オーディオの場合
360Reality Audio のほうが空間オーディオしてる
特集でベストオブ空間オーディオやベストオブ360Reality AudioというプレイリストがAmazonミュージックにあるんだけど、最初はこれを聴いてみるのがオススメ↓
差がわかりやすいのは女性ボーカルが複数人で唄ってるやつ。
特に私立恵比寿中学の「シングルTONEでお願い」というのはあきらかに360Reality Audioを意識して作ったような音源。
ステレオで聴くと、頭の中心から半径5cmぐらいの円の中で数人の女性がごちゃっと唄う感じ。
ダイソーの100円のイヤホンでも聴いてみたんだけど、分離が悪くごちゃっとするね。
ぼくはイヤホンの音質の差を語る資格はないけどfinalE500だとボーカルAとボーカルBがそれぞれ唄うのがわかりやすいので、音の分離というのはイヤホンの品質をみるのにわかりやすいね。
360Reality Audioに切り替えると、ボーカルAが頭の中心から明らかに15cmぐらい右で唄い、次にボーカルBが明らかに15cmぐらい左で唄うような感覚が味わえた。
このあたりはドルビーアトモスの時には感じなかったハッキリとした位置関係を表現してた。
というわけで、ぼくみたいにイヤホンで聞き慣れてない人には360Reality Audio楽曲のほうがわかりやすいと思うよ。
しかし、映画サラウンドのアトモスのような音の広がりとか包囲感は感じたとしてもホントに狭い範囲。
音場は頭の中心からどう頑張っても15cmは越えない感じ。
もし、そんなことないよ広大な音場が広がるよ!という方がいたら申し訳ない。何かぼくの再生環境が間違ってるのかもしれない。
冷静にAmazonミュージック内を見回すとそこまで対応作品があるわけでもないし、曲によって効果ありなしの差がかなりある。
聞き比べて普通のステレオを選択する人も多いだろう。
これから空間オーディオが主流になるというよりまだ実験的なオマケ機能というかんじ、よくできたエフェクトという捉え方でいいのではないかな。
そもそも楽曲はリリースされた時点で、すでに創り手のこだわりのエフェクトてんこ盛りという状態だから、アーティストからしたらそのままの音で聞いて欲しい!という人もいるだろうしね。
制作段階からからアトモスや360Reality Audioの効果を前提に作った楽曲が増えるともっと楽しくなりそうだけどね。
女性ボーカルなどの声の質は明らかに変わる、オリジナルの声が好きというならやっぱりステレオのほうが艶があるかなぁ…
映画サラウンドのドルビーアトモスとの違いは?
さて、ここからが映画アトモス好きとしてはメインの話なのよ。
今までぼくらホームシアター趣味の人間からすると、ドルビーアトモスって仕様上は「2ch~スピーカーの数は問わず」とされているけど
現実には5.1.2chとか7.1.6chとかある程度スピーカーを配置したほうが体験の質はあがる。
最初Amazonミュージックがドルビーアトモスに対応!というニュースを聞いて
はやとちりして
と喜んでしまった。
すまん、だがホームシアター好きな人はわかってくれると思うよ、この勘違い。
ここで離脱する読者がいたとしても伝えたい思いが抑えられないので詳しく話すと、
まずぼくはAVアンプにファイヤースティックを挿して使っているユーザーなのよ。
このかたちはこの後説明するいくつかの残念ポイントもありながら、2022年も推奨する理想的なホームシアターと思ってる。
ファイヤースティックをAVアンプに挿すと、ドルビーデジタルプラス形式で5.1chやアトモス音声がおくられてくる。
だからNETFLIXを5.1.2chのリアルドルビーアトモスで楽しめるわけ。
今回も同じく配信のアトモスで8つのスピーカーのリアルサラウンドで音楽が楽しめると思ったらちがった。
対応するAVアンプでデコードして各スピーカーに振り分けられて再生というアトモス対応映画をみるようなプロセスではないのよ。
とういうわけで先にレビューしたようにスマホ⇒ヘッドホンに最適化されたAmazonミュージックの2ch空間オーディオは映画のドルビーアトモスとは全く違うものであった。
念のためAmazonミュージックの2chアトモス音声をフルデジタルでAVアンプに飛ばしてリアルサラウンドにアップミックスして聴いてみた↓
スマホからOTGでBT-W3⇒aptx-HDでBluetoothトランスミッター⇒光デジタルでX1600H、ドルビーサラウンドで5.1.2ch再生
ステレオとの差はほとんどわからない。意味なしでした。