カーオーディオ

リアスピーカーを鳴らさない設定から始めよう【純正カーオーディオのバランスに学ぶ】

例えば、全くカーオーディオをいじっていないフルノーマルの4ドアセダンがあるとする。

4つのスピーカーがそれぞれ、フロント左右、リア左右のドアの下部に設置されているよくあるパターン。

いい車だとフロントはツイーターがついていたりするけど、ここではとりあえず、ツイーターはないものと考える。

次に!

よ~く考えてほしいんだけど、

カーオーディオ(音楽)の音源は2chステレオ

スピーカーをどんなに増やしても、音声はLRのふたつしかない

つまり、

右フロントスピーカーと右リアスピーカーからは全く同じ音がでている。

同じく

左フロントスピーカーと左リアスピーカーからは全く同じ音がでている。

えいが子
えいが子
う~ん、車の中で前と後ろで2組のステレオが同時に鳴っているということ?
くろかわ
くろかわ
そうなんだ。大きな車のカタログを見ると豪華な15スピーカーシステムとかあるけど、必ずしも高音質とは限らない。いろんなスピーカーから同じ音が出ているという状態だからね。
えいが子
えいが子
貧乏人のひがみにしか聞こえないのが悲しい…
くろかわ
くろかわ
スピーカーは数じゃない

フロントスピーカーだけ鳴らすと魅力のない音に聞こえる…

さて、この状態からヘッドユニットを操作して、

フロントの音量を100%

リアを0にする。

バランスフェーダーなどと呼ばれる機能で、ほとんど全てのカーオーディオのヘッドユニット本体には搭載されている基本的な調整機能だ。

フェーダーを使えば、左右、前後の音のバランスを変えられる。

まずは左右はそのままで、前後のバランスだけ全て前に寄せる。

これで後ろからは音は出ない。

さて、フロントスピーカーだけの、フロント定位の音を聞いてみて、どんな感想を持つだろうか?

えいが子
えいが子
なんかちょっと寂しくない?せっかく付いてるんだから鳴らせばいいのに!包まれ感が好き
くろかわ
くろかわ
そうなんだよ…ぼくも最初そう思った

スッキリとした音とも言えなくはないんだけど、ほとんどの人には、なんだか物足りない音に感じてしまうんだ。

「えー!でもさ、多くのカーオーディオの情報によると、音質向上の方法として、フロントスピーカーだけ鳴らせ!とか、ステレオは前方定位が基本!リアスピーカーは邪道だ!…そんなことばかり書いてあるよ。これは何?

そうだね。多くのネット情報ではリアスピーカーを鳴らさないで、フロント2ch、またはフロント2ch+サブウーファーのシステムを推奨していることが多い。

普通の車でフロントスピーカーだけを鳴らすと、低音の量感が不足した音になるのはナゼ?

音楽にとってベース(低音)はとても重要だ。好みもあるけど、一般的には

気持ちのいい量感のあるベース(低音)ラインに

リアルな中音が乗り

澄んだ高音が響く

みたいなのが妄想…理想だよね🙄

ところが車は低音がエンジン音やロードノイズにかき消され、中音は鳴ってほしい位置に定位せず、高音はキンキンやかましい!

これが車の音響の宿命だ。

くろかわ
くろかわ
高音質ってうるさい環境でやるものじゃないからね
えいが子
えいが子
無理じゃん!もうカーオーディオやめちゃいなよ
くろかわ
くろかわ
わかんねぇだろう?自分の愛車のサウンドがイケているというロマン…

そもそも純正ドノーマル仕様はバランスのとれたマイルドな味付けになっていて、これはこれでなかなかいいものだ。

フロントスピーカーだけにすると、今までリアスピーカーから出ていた低音がなくなるから低音が弱く感じる。

えいが子
えいが子
でも高音もでてたわけじゃん?それもなくなるんだから全体のバランスは変わらないんじゃ…
くろかわ
くろかわ
もともとリアスピーカーの高音域は減衰して、運転席まで満足に届いていないんだ

リアスピーカーでもツイーターが高い場所に設置されている車種は別として、多くの車はドアスピーカー下部にフルレンジスピーカーだから、運転席に高音域は届きにくい。

しかし低音は別だ。間接的にでも出ていれば音全体の量感が豊かに聞こえる。

またドアの車室内に隣接する面にには内張りというカバーがついている。

これがスピーカーの振動を受けて共振することで、適度な響きや量感をプラスしている。

ここで紹介した要素はほんの一部かもしれないが、純正オーディオはいろいろなバランスの上に成り立っている。

純正カーオーディオの魅力を理解しよう。カスタムを始めるのはそれからだ!

そう考えると、

えいが子
えいが子
純正クソ!とか言っちゃダメ…
くろかわ
くろかわ
そう!むしろリスペクト!

純正=ダメな音という考えは捨てよう。

ぼくは昔、純正スピーカーは籠るようなパンチのない音に感じてカーオーディオいじりを始めた。

そしていろいろ試して、お金をかけて高音域キツめのバランスの悪い音に悩んでいた。

そんなある日、

久しぶりに純正カーオーディオを聞く機会があって、

ああ…そういうことか…と納得した。

全ての席でリラックスできる聞き疲れない音。

プロが様々な制約の中、最低コストのパーツでバランスよく鳴らしている音というのが純正カーオーディオの正体だ。

これは万人が乗る車にとって、とても重要なことだろう?

リアスピーカーを鳴らさないだけでは高音質化はできない、サブウーファーで低音を補う

さて、純正スピーカーの音は低コストながらバランスのとれた音であることがわかった。

だから単純にリアスピーカーを鳴らさないだけではダメだったんだね。

もともと車のドアスピーカーは低音がちゃんとでない。そのままではね。

だから聞いたことあると思うけどデッドニングといってドアのサービスホールという穴を塞いだりするカスタムをする人は多い。

しかし、これは必ずしも音が良い方向にいくとは限らない。

まずぼくがオススメするのはサブウーファーの導入だ。

サブウーファーで低音域を補うことで音のバランスを整える。

大がかりなものでなくていい。パワードサブウーファーという、新品で1.5万円以下ぐらいのものでいいんだ。

中古でもいいと思うよ。

大切なのは調整を熱心にやってバランスをとること。

庶民のカーオーディオはサブウーファーのブランドなどにこだわる必要はないんだよ。

普段1人~2人で乗るという場合、そしてやはり、もっといい音を聞きたいという思いがあれば、フロントスピーカーのみを鳴らして、いろいろ手を加えていくと最終的にいい音にたどり着けるよ(^^)/

ぼくみたいに遠回りしてほしくない。