自分では購入できない高級プロジェクターをレンタルで借りてレビューするシリーズ。
今回はEPSONのTW6250だ。(公式で3000円/5日間レンタル)
このクラスの製品にたいして明るいとか、画質が綺麗という情報にはほぼ意味がない。
画質は今までレビューした中では最高レベルと最初にお伝えしておく。不満は全く無いよ。
目次
EPSON EH-TW6250なら薄暗いHDR10を美しく投影できるのか?
多くのホームシアターユーザーが薄々感じている不満に、【HDR10が薄暗い問題】があるw
これは液晶テレビでも輝度が不足していたり、輝度が足りないとしても、それを補正して見やすくするような画像エンジンがなかったりでHDRを感動画質で見ることは安価なモデルだと難しい。
さらにプロジェクターともなると、黒は電気を消した時の黒までだし、どんなに高性能プロジェクターでもきつい…
メーカーや映像供給側はここには触れないのがマナーというか、大人の対応ということになっている。
しかし、ぼくは嫌なのよ…
XGIMIのElfinはシャープな画質でなかなか良かったんだけど…
フルHD機なのに、なまじHDRに対応しているのでNetflixなどをHDRオンにして見たくなる。
もともと800ANSIルーメンとそんなに輝度の余裕がないところにHDRだから、全体にくらーい映像になってしまう。
ピントとか凄いしっかりしてきれいなんだけど暗いのだ。
70インチぐらいまでならなんとかだけど、100インチにすると鮮やかさが伝わらなくなってくる。
逆にHDR非対応のレーザー1000ルーメンモデル、EPSONのEF11のほうがSDRの明るい画質で満足度は高いのだ…
やはり10万円以下クラスのプロジェクターではHDR10を感動画質で視聴することは無理なのか…?
Amazon実勢価格15万円のEPSONの EH-TW6250ならもしかして…
と淡い期待を込めてレンタルしてみたのだ。
これで暗いならもう、プロジェクター投影によるHDR10という規格そのものの限界ということにするw
EPSON EH-TW6250のHDR10と大型液晶テレビのHDR10の比較
もちろん、画面サイズだけの話ならEPSON EH-TW6250のほうが勝る、テレビを15万円予算ということだと、最大65〜75インチぐらいまでだからね。
さらに聞いた話だけれど、一戸建てならともかく、マンションなどの集合住宅は65インチまでが搬入の限界というのが通説らしい。
で、そもそも15万円で購入できる大画面テレビはHDR10という規格ではなくDolbyVISION対応のものもある。
そうすると、HDR10とDolbyVISIONの比較となるわけでますますEPSON EH-TW6250が不利になる。
例えば、ソニーのブラビアの75インチ(40万円ぐらいの)でファイヤースティック4KMAXを接続してNetflixの「エミリー、パリへ行く」を4KHDRで視聴してみると、圧倒的な明るさと美しさを感じるし、暗いシーンに一瞬輝く光に眩しさを感じる。
対して同じ条件でEPSON EH-TW6250の場合は【眩しさ】までは表現できない。暗くはないのだけれど、プロジェクター好きのぼくとしては残念だけど負けた感が強かった。
液晶テレビの実験ではHisenseの2年前のモデルで55インチ実売10万円ぐらいのモデルと同等か少し負けるような感じ。
ぼくの結論としては2023年時点では、10万円クラスのプロジェクターで4KHDRを満足に楽しめるモデルはまだないということ。
HDRも過渡期の技術。これからの10年でさらに魅力的な規格になってもらいたい。
個人的にはHDR10ではなくユーザー満足度の高いDolbyVISION対応で普及すると嬉しいなぁ(^^)
同梱のメディアストリーミング端末(ELPAP12)の使い勝手はどうなのか?
ぼくはレンタルして家に届くまで知らなかたんだけど…上の写真のようなEPSON純正のメディアストリーミング端末というのが本体に接続されている。
購入してすぐにGoogleアカウントでログインすれば、各種アプリでNetflixやYou Tubeなどお手軽にみれる。
しかし、少し残念に思ったことがある。
これがデフォルトのプロジェクター本体への端末からの出力なのだけど、フルHD入力なんだよね。
4Kプロジェクターを謳っているけど、同梱のメディアストリーミング端末を使うと、フルHD入力という仕様がユーザーに伝わっていないのは残念に思えた。
フルHDにしないとHDR本来の10ビットカラーにならない仕様なので、解像度より、カラーを優先させた配慮なのかもしれないけど…
※4K60Hzは8ビットカラー上限の仕様
EPSON EH-TW6250の4KHDR表記が誤解を生む8ビットカラー深度
EPSON EH-TW6250は4K60Hzの映像に対してカラーのビット深度が8ビットという制限がある。
こちらはメーカーの製品仕様の資料から確認できるのだけど、通常ここまで確認して購入する人は少ないはずだ。
これは4KHDR対応のプロジェクターとして販売されていたらちょっと予想できないスペックだ。
そもそもフルHDの液晶パネルを3枚使うモデルなので、ズラして4K相当ということなのだからフルHD解像度の入力に対して12ビットカラーのHDRが再生できれば問題ないのかもしれない。
映像のことよくわからないぼくにはその違いもわからないだろう。
しかし、HDR10という規格が10ビットカラー以上ということなら、正しくはフルHDのHDRに対応と表現するのが、ユーザーへの誤解が少ない気がしたよ。