アトモスの天井スピーカーってどこにつければいいのか?これがとても悩ましいよ。
「自分の聴覚上、好きなほうを選ぶ」という場面はオーディオやホームシアターを楽しんでいるとよくある。
しかしドルビーアトモスの場合は、まだまだ情報が少なく、いろいろな事例を知りたいという要望はあるように感じる。
結論からいうと、天井に2個(1組)スピーカーを取り付けるときは、トップミドルが最適ということになる。
さらに、お部屋の環境によってはフロントハイトの位置にしか取り付けられないということだってあるもんね。
今回は天井にスピーカーを1組しか設置できない場合どうするの?
そんな疑問に答えていくよ。
トップミドルの位置関係を動画で見たい人はポイントも含めて最新のセッティングをYou Tube動画で作ったのでみてほしい↓
5.1.2chアトモスのドルビー公式のトップスピーカー配置は?
ドルビーの公式の5.1.2ch配置を見ると、👆のような図が示されている。
ドルビー公式より引用
これを見る限りは、天井に1組しかスピーカーを付けられない環境の場合、やはりトップミドルに設置が推奨のようだ。
よーく見ると、点線で描かれたスピーカーは、リスナーの真上よりやや前方という位置。
点線で描かれた範囲内(65~100度)で設置、さらに言えば80度ぐらいが望ましいということだろうか?
でね、
65~100度という範囲は結構広いんだよ。
そして手始めに、トップスピーカーだけ鳴らして聞き比べてみると印象がだいぶ違う。
まず、アトモス初めてという人に伝えたいのは…
アトモスは天井とか上からというイメージが先行しすぎている。
5.1.2chの全てを鳴らしたリアルアトモスで、天井に設置したスピーカーが特定できるほど直に音を発しているように聞こえたら、それは設置や調整がいまいちな可能性が高い。
天井からというより、水平方向の従来の5.1chとトップミドルスピーカーでサンドウィッチされた空間で音(オブジェクト)を表現している感じというのかな?
もちろん意図的に頭上の音を強調するようなソフトもあるけど、それはかなり少数派だ。
ターミネーターでバスの天井を敵が歩いちゃう!みたいなやつは、最低5.1.4chとか天井の前後の移動感も再現しやすいシステムのほうがいいね。(ドルビー公式も天井スピーカーは2個でも体験できるけど、4個がいいよと言っている)
ぼくの感覚でトップミドルのアトモスでいいなぁと思うとこは、
スクリーンの登場人物のセリフが、より口から発せられる感が強くなる。センタースピーカーの設置位置が低めでセリフがスクリーンの中央まで上がらない5.1chシステムで、トップミドルを追加すると、なんとセリフが口の高さにドンピシャに合うように聞こえてきたりする(^^)
低音に厚みがある。同じ作品をドルビーデジタルプラス5.1ch(配信)で観てからTrue-HDアトモス版(Blu-ray)を観るとぜんぜん違うよ。重さのある移動感がカッコイイ。
定位がはっきり、車の音が、車から出てる(何言ってんだろw)とにかく人、モノにピントがしっかり合う
上からというより、上方向にゆとりができる、ドーム状に空間が広がる。北半球感があるよ。(5.1ch比)
このようなアトモスの魅力を最大限引き出すという視点で調整していこう(^^)/
トップミドルスピーカーのリスナーからの距離、角度はどうする?
まず、90度、真上をやってみた。
なんか当たり前だけど、トップミドルchのみで聞くとぱっとしない。上に空間が広がる感じはイマイチ。感覚的に真上がやや後方に感じるというか…頭上は耳の形状も含めて考えたときに音が聞き取れない苦手な方向なのかも。
ヒトは真上からの音に、無意識に身体が構えてしまうのかもしれない…太古から生物として進化してきた危機察知能力に関係しているのかもしれんが、聞いていてなんか圧迫感がある。
このあたりの感じ方に、個人差がある可能性もあるけど…
ぼくの場合、少し前方(頭上から30cm前)にスピーカーを移動することで、音の圧迫感が薄れ、いわゆるサラウンドの北半球といわれる上方向の広がりもでる感じだった。
トップミドルch単体で聴いたときは!
5.1.2ch全て鳴らして映画などで検証してみると、30cm前方よりも、より頭上に近いところに設置したほうが、広がりのある、全体に包まれる音に変化した。
それは単体で聴いたときはあんまりぴんとこなかった場所。真上より前方10cmぐらいのところだった。角度的には80度ぐらいか…
結局、ぼくはフロントスピーカー(センター)から1.3メートルぐらい離れた場所をリスニングポイントとしているんだけど、ほぼ真上に配置でいい感じになった。
恐らくほとんどの人は80度~100度の間で決まることが多いと思うよ。
80~90度の範囲で設置するトップミドルスピーカーに限っていえば、スピーカーに角度をつけないで真下に向けるで大丈夫だ。
5.1.2chの場合トップミドルのみだからこれでOK。
これがチャンネル数の多いAVアンプになると…
5.1.4chの場合トップフロント、トップリア
5.1.6chの場合トップフロント、トップミドル、トップリア
想像だけど、恐らくこんな感じになると思う。
天井スピーカーが増えた場合トップフロントやトップリアに仰角をつけるべきか?素直にそのまま真下に向けるべきか?
これは今のぼくにはわからない。そういう高いアンプもってないので検証できないしね。
トップスピーカーの左右の間隔はどうする?
セオリーはフロントスピーカーと同じ幅。
つまりフロントスピーカーの延長線上の真上のような場所だね。
因みにぼくの部屋の天井の高さは250cm
リスニングポイントの高さは90cmぐらいか?
天井から20cmぐらい下がったところにスピーカーがあるとして、トップミドルスピーカーからリスナーまでの距離は140cmぐらい?
実際に調整用マイクで測ると138cmとでたからそんなもんだろう。
ぼくは以前フロントスピーカーより狭い間隔でトップミドルスピーカーを設置していた。
フロントLRの幅100cm
トップミドルLRの幅90cm
まぁ、これでも普通にサラウンド感は得られていたと思う。
ある時、フロントスピーカーの間隔を広げた。それにあわせてトップミドルスピーカーも広げた。
フロントLRの幅110cm
トップミドルLRの幅110cm
つまり、フロントと同じ間隔。
そしたらかなり気持ちのよい広がりが得られた。
さらに調子にのって現在は、フロントもトップミドルも140cm弱ぐらいまでワイド化した。
そしたらまた良くなった!
イメージとしては今までは、上は上の音、水平方向は水平方向の音で上下がやや分離した感じだったのが、隙間がなく空間が繋がったような感覚だ。
天井もいろいろ場所や角度を変えていろいろ実験したけど、この変更をしたときにいちばん感動したのを覚えてる。
これは結構重要だな…と痛感した。
ステレオ再生のフロント正三角形理論と同じく、トップミドルとリスニングポイントの関係も長い二等辺三角形より正三角形に近づくほうが良好なのか…?
今回もレディプレイヤー1の、サラウンドジャンキーには有名なカーチェイスシーンで調整した。スピーカーはかなり前のシステムだけど👇️
このシーンのサラウンド音響はアトモスの歴史に残るインパクトだと思う。
まとめると、
初めて天井にスピーカーを設置する場合は、リスニングポイントの真上から前方に10cmぐらいずらしたところを試してみよう。(天井高が3m4mと変化すればもっとずらす感じかな)
トップスピーカー左右の幅も、まずは基本に忠実にフロント左右と同じ寸法か、それ以上がいいだろう。
やや狭いとやや広いなら広い方がいい派、天井高にもよるけどね。
頭上80~90度の範囲に設置(AVアンプのアサインモードはトップミドルを選択する)
左右の設置間隔はフロントスピーカーと同じにする
スピーカーは真下に向ける、特に角度は必要ない
あなたのアトモスシアター作りの参考になれば嬉しい。
でね、最後にぼくの個人的な見解をいうね
ここからは軽く聞き流してほしいんだけど、
薄々感じている人けっこういるんじゃないかな?。
⭐ドルビー公式も天井スピーカーはだいたいでいいと明言していること。(環境に合わせて計算して出力するから)
⭐ドルビーが天井スピーカー不要のハイトバーチャライザー機能をリリースしてきたこと。
⭐トップミドル推奨と言いながらぼくの好みはサラウンドバック(笑)詳しくは下の動画をみてほしい
⭐ネット上でも誰も話題にしてないし、検索しても情報はほとんどでてこない。
このあたり、ぼくのドルビーアトモス愛とはけっこうな温度差を感じる部分。
でも安心してほしい。ここで紹介した3つのポイントでトップミドルスピーカーを設置すれば正しいアトモスのサラウンド効果は得られるからね。
何度もぼくは言うけど、基本の5.1ch配置がちゃんとしてないと、せっかくトップミドルを設置してアトモス再生しても最高の体験にならない。
この通り天井スピーカーを設置しても、なんかいまいち…という人はもう一度基本の5.1ch配置を見直してみるといいよ👇️
👇ぼくの映画館使用モデルはこれ。