今から本格的なサラウンド音響が満喫できる本気のホームシアターを始めたい人のために、低予算でもしっかり包囲感を感じられ、音の重厚感もあるサラウンド環境の作り方を詳しく解説するよ。
この記事では、メーカーから発売されるサウンドバーやスピーカーセットの新製品などは使わない。
もっと調整、設置の手間もかかる大変な方法でやる…
でもその先に本格サラウンド音響のロマンが待っている。
まさに大人の趣味だね(^^)
目的はスピーカーシステムの自慢や、音響オタクになることではない。
映画鑑賞、ライブ音楽鑑賞、ゲーム、You Tube等を最高に楽しむためにやるのだ(^^)
映像コンテンツって繰り返し見ることは少ないじゃん。それならその一回を最高の音響で観ないと損だよね。
スマホで見た映画…最高に感動した〜というのはちょっともったいないw
オモチャじゃない本格音響のために用意するものを見ていこう。
目次
低予算サラウンドホームシアターに最低限必要なもの
ひとつの目安として、
①中古2011年製〜新品までのAVアンプ
②中古15年前〜新品までのスピーカーを4個
③AmazonファイヤーTVスティック、アップルTV、テレビ内蔵アプリのような配信動画を再生できるデバイス(何でもOK)
AVアンプ1台とスピーカーを4個が最低限必要。
③の再生デバイスについては音響システムではないのでここで取り上げる必要もないのだけれど…
ファイヤーTVスティックのようや専用のストリーミング端末をオススメする理由は、サラウンドホームシアターを楽しむのに、ストレスなく快適な操作ができるからだけではない。
じつはサラウンド再生できるか?できないか?を左右する大事な問題がある。
NetflixやYou TubeやAmazonPrimeなどの映像コンテンツをお手軽に見れる環境を手に入れて、人生を楽しむためには専用のストリーミング端末を使ったほうがコスパがいい。
地上波とBS、Blu-rayとCDだけというのではもったいない。
ディスクメディアと違って所有していなくても、無限の世界が広がるというワクワクが配信サービスにはあるのだよ(^^)
※配信コンテンツはスペック上はAtmos、DolbyVisionなど素晴らしいのだけど、公表されていない配信ビットレートと通信ならではの安定性のなさから、気に入った映画作品などはディスクで鑑賞したほうが安定の高画質、高音質が楽しめるという側面もある。使い分け推奨。
とにかく、再生デバイスを持っていなくてよくわからないという人はAmazonファイヤーTVスティックを用意すればだいじょうぶだよ。(4K対応、新型とか種類もいろいろ値段も高くて迷うけど、すぐに4K環境にならないという人は第3世代ノーマルスティックでOK↓
ぼくも使ってるからだいじょうぶ!
どうしても迷う人はこの動画を見て欲しい↓
本格的サラウンドホームシアターの予算は3万円〜
ぼくがいろいろ実験した結果、最安値のシステムでサウンドバーなどを軽く凌駕する本格サラウンド音響の入口に立つレベルのシステムは以下の4.0ch構成〜となるよ。
1.5万円程度の中古AVアンプ(できれば7ch)
Denon SC-M41 ✕4個(2ペア)
上の機器の組み合わせであれば、ある程度正しく配置してAVアンプの測定機能を使えばスピーカー4個だけでも立派なサラウンドが楽しめる。
Denon SC-M41というスピーカーは、ぼくもいつくか所有しているけど、音楽鑑賞も映画サラウンドも平均レベル以上に再生できて安価という反則レベルのスピーカーだと確信しているので、これを例に解説してるけど、※同等クラス以上のスピーカーを使ってももちろんだいじょうぶ。自由に楽しんで頂きたい!
※ウーファー径13cm以上、周波数特性の仕様で60Hz以下の低音が出るモデル…となると価格はそれなりに高くなるけどね
特にメーカーやデザインにこだわりはないけど、よくわからないから失敗したくないという人はDenon SC-M41が安心。
中古スピーカーの選び方、買い方
「オススメのスピーカーを教えて下さい(^^)」
と聞かれたら、
「Denon SC-M41です」と答えようと決めている。
自分で買って、使って、楽しめたものをオススメしたいからね。
でね、低予算でやるというのも「ぼくの映画館」が大切にしていることなので、予算別の買い方のパターンを紹介する。
予算はない!ギリギリ限界の最安値を知りたい人から、どうせやるならある程度の金額を出して始めたいとか、中古は嫌、新品がいいという人までいろいろだよね。
まず、Denon SC-M41というのはDenon SC-M39、SC-M40、SC-M41と三世代続けてマイナーチェンジを繰り返してきたモデル。
その音質差は僅かなのでぼくにはあんまり差がわからない。M39なら中古のペア6,000円ぐらいで購入てきる。
M41でもぼくはペアで7500円ほどでハードオフで購入できた。(中古相場的には10,000円ぐらいが平均)
とうわけで音響システム合計で最安値は3万円以下もギリギリ可能。(現実的にメルカリ、ハードオフなどで買えます)
例えばDenon SC-M39の中古がペア7,000円。
これを2セットで14,000円。(中古でタイミング良く2セット同じスピーカーなんて買えないよという問題はひとまず置いておいて…)
中古AVアンプを14,000円。
合計28,000円。
スピーカーケーブルとHDMIケーブルで3万円超えるみたいなのがリアルなところ…
しかしこれで本格サラウンドの入口に立てるのだからコストパフォーマンスは最高なのだ。
中古AVアンプの選び方
AVアンプ選びで最も重要なのは、「勇気を出してAVアンプを購入してしまうこと」これに尽きる。
感覚的にはバンジージャンプに近い(やったことないし絶対怖くてできないけど)
家のローンの契約時のハンコとかと一緒で、考えたら一生買えないw
AVアンプを買うのは怖い。その気持ちよーくわかる。
ぼくも最初買うときめちゃくちゃビビって、数日間まともに食事が喉を通らなかったから。
それでもね…結局AVアンプがないとサラウンドは始まらないのよ。
買う順番として、【スピーカーより先にAVアンプを買う】のがコツだ。
AVアンプを買ってしまえば、もう後戻りはできないwもうスピーカーを買うしかない!
早くスピーカー買いたい。そうしないと音が出ないしつまらない。
そして人は迷いながらもサラウンド環境を手に入れることができるのだよ。
はじめてのAVアンプ選びは細かいスペックなど読んでもよくわからないし、迷いも深まる。
好きなメーカーとか、見た目のデザインで選ぶのが基本(これ重要)でONKYOかYAMAHAかDENONかパイオニアかSONY、だいたいこの中の好きなメーカーから選ぶことになる。
そしてどれでもいい。
考え方として「今から買うのは入門機、この先サラウンド趣味に夢中になって詳しくなったら次のAVアンプは吟味して購入する。今回はとにかく体験するために買うのだ!」と言い聞かせて、
中古で1.2〜2万円ぐらいのものを購入すればいいよ。
ぼくから最低限抑えておいたほうがいいポイントをお伝えすると…
★2011年製以降の製品、HDMIバージョンや、その対応フォーマットが現行でも使える。4KやHDR対応を狙うなら予算は多めにみて近年発売のものから選ぼう。
サラウンド音響を優先して、映像はフルHDまでしか対応してなくても型落ちで安いAVアンプを購入するのもひとつの考え方だよ。
★型落ちの5chと7chで中古AVアンプの価格差はほとんどないので、発売当時エントリーモデルだった5chよりミドルクラス以上だった7CHアンプを買ったほうがお得。(入出力の豊富さや調整機能)
※4chで使う前提でも。
★リモコン、電源ケーブル、測定マイクが揃っているもの。別途購入が困難で最終的にトータル高くなるので最初から全部揃っているものを買う。
逆に要らないものは取扱説明書と元箱。
具体的なモデルだとぼくが現在持っているのは
ONKYO NR-365、 ONKYO TX-NA609、DENON X1600H(Atmos対応)、SONY STR-AN1000(Atmos対応)、グレード、年式、価格、それぞれ違うけど、これらを買ってひとつも使えないと感じたものはないよ。
AVアンプを買ってお部屋に置くことができれば、サラウンドは半分成功したといっても過言ではないよ。
予算はある!最初からドルビーアトモス対応のAVアンプを新品で購入して始めたい!という人はこの動画をみてほしい↓
お部屋にスピーカーを設置する方法
まず、極論をいえば自分の前方左右と、後方左右の4個所に囲むようにスピーカーを置くだけだ。
場所はひとまずどこでもいい。
間違いもけっこうあるけど、ぼくの映画館のブログとYou Tubeみていろいろやってみるといいよー
この動画をみてもらうと、セオリーはセオリーとしてあるものの、ある程度試行錯誤していくとわりと自由に楽しめることに気がつく。
スピーカーを全部天井に向けたって良好なサラウンドは実現するので、皆さんが心配している「上手く配置できるかな?」というのはそれほどたいした問題ではない。
それより、ここに置けるかな?家族に怒られるかな?生活導線として邪魔かな?が現実的な悩みのはず。
さて、だいぶ気楽な気持ちになったところで、そうはいってもなるべくいい音響を作りたいとなるはずなので、フロントの置き方から行ってみよう!
フロントスピーカーの置き方
テレビを使う人は、テレビを真ん中に置いて、フロントスピーカーを左右にセッティングしよう。
テレビの両脇にピタリとつけるのではなくある程度離した方が良いよ。
スピーカースタンドを使ってみるのもオススメ↓
この動画にもあるけど、リスナー(これからお部屋で座ってメインであなたが視聴する場所)とフロントスピーカーを結ぶ3点は正三角形に近づけておくといい。
リスニングポイントはほぼ決まっているだろうから、そこからテレビを真ん中に見たとき、正三角形としたら自然とスピーカー左右の幅は決まるはずだ。
スピーカーのウーファー面はややリスナーに向ける内振りがいいよ。(このあたりは好きなように拘ればいいポイント)
次に設置高さ。
スピーカースタンドを使っていると、高さ調整が自在というメリットがあるよ。
スピーカーのツーイーターの高さが、テレビの画面の中央の高さとイコールになるように揃えると、映像の中の世界観と部屋の音響がマッチする。
特に登場人物のセリフは重要で、映像の中の人が本当に喋っているように錯覚できるのがいいよね(^^)
あと飛行機が画面から外に飛んでいっても、音は画面外の飛行機の音をトレースしてゆく様など想像しただけでもヨダレがでてしまう
サラウンドスピーカーの置き方
サラウンドスピーカーを理想の場所に置くのは難しい。
簡単に後ろに置けといっても、一般家庭では難しいのよ。
専用ルームを作って、最初からリスナーが部屋の真ん中〜後方あたりに座る想定でやれる人はほとんどいない。(羨ましい、憧れるけど)
以前ホームシアター愛好家にアンケートを取った時に、3人掛けソファーの真ん中で映画を見るという回答がいちばん多かった。
そして普通は部屋のスペースを最大限に利用するためにソファーは後ろの壁にピタリとつけるレイアウトにする場合が多いよね。(後ろに人が通れるようにソファーをゆったり配置できている富裕層レイアウトの方はラッキーw)
そうすると、後ろに…と言われてもサラウンドスピーカーの設置場所は後ろの壁にピタリと置くしか方法はない。
実はこれがホームシアターの難しいところで、理想をいえば、サラウンドスピーカーはもっと後ろに置きたいのだけど、それが叶わない。
これでは空間的に5.1chレイアウトも辛いし、7.1chレイアウトとなるとほば絶望的となる。
ばくが実験した限りでは、サラウンドスピーカーを真横でもなんとかなるけど、包囲感をリアルにするためにはソファーを少し前に出していただきたいです…(弱気)
まあそうはいってもこの程度で諦めてはつまらない。
サラウンドスピーカーを壁ピタでもいいからとりあえず配置。
ほぼ真横といっても多少の角度はリスナーに傾けよう。
ホントに真横に壁につけると、壁に反射して中低音域が極端にボリュームが大きくなってしまうからね。
映画などを視聴するときはソファーも少し前にずらして(1メートルなどは受け入れられなくても、せめて30cmでも交渉してみよう)自分の頭も壁にもたれるのではなく、少し前方で観るとサラウンド感は向上する。
角度と高さは次の記事や、動画を参考にしてほしい。
開き角は110度〜135度ぐらいを目安に、お好みというより、もうここしかない!というのが普通だと思うw
一般家庭の設置自由度は極めて低い。
スピーカー4個でサラウンドをやる場合はサラウンドスピーカーはリスナーの耳から15度の角度で上方に線を引いた延長線上に来るようにすると、4個のスピーカーでも高さを表現しやすい。
つまり、フロントスピーカーより高い位置になる。
詳しくは動画を参考にしてほしい↓
4つのスピーカーをお部屋に配置できたら次はいよいよAVアンプの接続と配置だね。
テレビとAVアンプとスピーカーの接続方法(4.0ch)
テレビのHDMI入力とAVアンプのHDMI OUT(出力)をHDMIケーブルで接続しよう。
テレビの地上波の音声をAVアンプ経由でサラウンドシステムで鳴らしたい場合は(ARC)と書かれたHDMI出力端子と接続しておく。
これから新規にHDMIケーブルを購入される方はHDMI2.1という規格のものを購入すればいいよ。
4個のスピーカーとAVアンプはスピーカーケーブルで接続する。
AmazonファイヤーTVスティックはAVアンプの好きなHDMI入力に挿せばOK。
ファイヤーTVスティックのMicroUSBでとる電源はAVアンプに搭載されているUSBポートから給電できる機種もあるので試してみよう。
なんとなく電力が安定しなければ正規のコンセントアダプターで取り直せばOK。
ぼくはたくさんのUSBポートで実験した。
例えば【GAME】と書かれたHDMI入力にAmazonファイヤーTVスティックを挿したのなら、AVアンプのリモコンで【GAME】のボタンを押せば。
AmazonファイヤーTVスティックの画面がテレビに表示されるよ。
同じく【Blu-ray】と書かれたHDMI入力に【P5】を接続したらリモコンで【Blu-ray】を押せば【PS5】の画面がテレビに表示される。
AVアンプの自動音場補正機能を使ってお部屋の音響を整える
上の写真のように測定マイクをリスナーの位置と高さを合わせて設置。
あとはAVアンプの指示通りリモコンを操作すればいいので比較的簡単だ。
詳しくはこちらの記事をみてほしい↓
最後にAVアンプでクロスオーバーと音量レベルの微調整を行う
基本的には自動で測定した距離、音量レベルはそのままでもいい。
AVアンプにもよるのだけれど、今回のようにある程度低域まで再生可能な4本のスピーカーを配置して、サブウーファーを使わない場合。
フロントスピーカー【大】、サラウンドスピーカー【小】でクロスオーバー80〜150hzぐらいの結果となることが多い。
そのままでもいいけど、サラウンドスピーカーも【大】に変更がオススメだ。
これは理屈うんぬんよりも、まずは聴き比べて好きな方を選んでくれればいいよ。
もう一つ、ぼくの場合は音量レベルはいじることにしている。
左右の聴力に差があるというか…測定マイクとは同じ音量に聞こえない。
ぼくのカラダ固有のものだけど、それは皆さんもありえるよ。
上の動画をみてほしい。それから、いま一度音を聞きながら自分の耳で同じ音量レベルに感じるように微調整してみよう。
そしてまたいつものあのシーン(好きな映画の好きな音響比較ポイントをいくつかもっておくといい)で聴き比べるの繰り返しでしっくりくるサラウンド感を手に入れよう。
フォーカスの合ったサラウンドというのはすへのスピーカーの存在が消えること。
そのイメージでいこう。
因みにぼくの和室のサラウンドの音を空気録音した動画を作ったので、こんな感じでお部屋で再生されるように頑張ってみてね(^^)↓
サラウンドに失敗はないと思うんだ。スタンドを使用して理想の配置ができたらそれもいいし、やむおえずここしか置けない。サラウンドスピーカーもせいぜい真横が限界…とか制約の中で工夫していけばいいよ
なんか不安という人はこれをみてほしい↓
この頃お金なくて、寄せ集めでやってたけどワクワクしたし、音響は間違いなくサラウンドしてたw
今、音は進化したけど、ワクワクや感動は大差ない(^^)
自分のお部屋を映画館のような音響に育てるというロマン。
良かったらみなさんもご一緒にホームシアター趣味やりましょう(^^)