まず、この写真をみてほしいのよ↑
テレビの両脇にイネーブルドスピーカー(専用品ではない)
ややリスナーに向けて内振り+イネーブルド風の角度をつける。
因みに反射させる天井はライトや段差など凹凸満載の悪条件。
この黒いマットは4角に上向きに8cmのフルレンジスピーカーが取り付けてある。
※ぼくの映画館開発のサラウンドマット
そして椅子の後ろにサブウーファー。
これで4.1.2(イネーブルドフロントDolby)。
従来の5.1chホームシアターと比較すると、突っ込みどころ満載だ。
全てのスピーカーは上を向いているし、ドルビーアトモス対応のハイトスピーカーはイネーブルドスピーカーを選択している。
念のためトップミドルも配置して聴き比べもおこなったのだが↓
今回の環境と構成ではフロントイネーブルドのサラウンドのほうが良好に感じた。
今ご紹介したようなシステムでも再生されるサラウンドは成立する。つまり映画コンテンツも音楽コンテンツもそれなりに楽しめるのだ。
ドルビーアトモスの驚愕の設置自由度の高さ!
最近ぼくはYou Tubeで5.1.2ch⇒7.1chの比較だったり、スピーカーを安価なもの、小型のものに交換した時の音質の変化など検証してきた。
そして、長いこと逃げてきた、イネーブルドスピーカーの検証もやった↓
でね!
いろいろやってAtmos音源を毎日5時間以上聞き続けてひとつの結論に達した。
Atmos対応機器(AVアンプ等)が音をデコードするということは「しゃーない、あるものでやろうぜ!」ということ。
スピーカーが何個でも、どこに設置しても、その条件の中でベストを尽くしてくれているのを感じる。
もちろん、設置にセオリーはあるよ。それは【ぼくの映画館】で紹介してきた。
誰だって、愛着のあるホームシアターだから音響を素晴らしくしたい。
そこで極力、Dolbyの推奨する配置に寄せて自分の部屋のスピーカー配置を決めるよね。
5.1chとかは特にそうする。
そして次のステップアップはAtmosだから天井につけなきゃ…となる。
しかし、トップミドルスピーカーがあなたにとって最高のサラウンドになるかはやってみないとわからない。
例えば天井が低いと、トップミドルスピーカーとリスナーの視聴位置が近い為に、上からの音がダイレクトに届いてしまう。
そうすると、繊細な空気感や残響を感じにくい。
そしてなによりもスピーカーがそこにあるな…と嫌でも存在を感じてしまう。
その瞬間に現実に引き戻され、没入感は台無しに。
そんなトップミドルスピーカーのシステムにぼくは沢山悩んできたw
じゃあイネーブルドなら何でもOKかというと、天井の反射のしやすさだったり、イネーブルドスピーカーとはいえ、本体をどの高さに設置するかによっても印象は変わる。
例えばDolbyの推奨通り、リスナーの耳の高さより上にイネーブルドスピーカーを配置した場合はこんな感じ。
それを無視して地面に直に置くとこんな感じ
セオリー通りはフロントDolby、床へ直置きはリアDolbyとした。
それでも聞こえる音に大きな違いはないのが凄い。
しかし、イネーブルドスピーカーの設置高さは影響があった。
リスナーの耳の高さより上に配置したほうが、本来上空を飛ぶ飛行機の高さを感じやすかったのだ。
イネーブルドの自然な反射を狙い、距離を稼ごうとして床に置くと、それはそれで絶対的な高さ表現では劣ってしまう。
でもそれも同じ環境、同じシーンで聴き比べてやっと分かる程度の違いなのよ。
だから、DolbyAtmosのサラウンド音響は破綻しにくいと感じた。それどころか絶対的な高さ表現を除けばリアDolbyには別の魅力がある。
通常の5.1chシステムにAtmos用のハイトスピーカーを設けようとすると、フロントDolby(イネーブルド)の場合は球形の全体の音場がやや前にスライドする。
いわゆるフロントヘビーな印象になるが、眼の前に広がる開放感のある空間感はすきだ。
次にリアDolby(イネーブルド)こちらの方が球形のセンターにリスナーがいる感覚は強い。
聴き比べて驚くのは、体験の質に大きな差はなく好みの違いというところ。
どちらもとても良い音響に感じる。いろんな映画をみても楽しい。
でも真剣にホームシアターに取り組もうとしている人が、床に直置きのしかもリアDolbyのイネーブルドはさすがに抵抗があって普通はやれないはずなんだ(^^)
これから、ホームシアターをやりたいけど、お部屋の物理的な配置制限で諦めていた人は少し考え直してみるといいよ。
最近のAtmos対応AVアンプはホントに上手く空間を作ってくれるから。
DolbyAtmosの設置をクールにキメるか?多チャンネルスピーカーで泥臭くいくか問題
というわけで、最低限のセオリーはあるものの、ドルビーアトモスについてはかなり設置自由度がたかいことがわかった。