DENON、Marantz、ONKYO等のAVアンプユーザーにはお馴染みの設定、AudysseyセットアップとMultEQ-XT。(上位機種は低域補正を強化したXT32)
この設定がなんかわかるようで、わかんないというか…AVアンプのマニュアルを眺めただけでは理解できないことが多い。
まず結論をお伝えすると、
AVアンプを購入したら必ず付属のマイクで自動音場補正をかける。
そして、
⭐映画ならMultEQ-XTを【Reference】もしくは【Flat】
⭐音楽ならMultEQ-XTを【Flat】
YouTubeやゲームはお好みで。
目次
Audysseyセットアップとは何か?
まず、AVアンプを買って、家に届いた状態は当たり前だけど、全てのチャンネルはフラットの設定。
音量レベルは0.0
距離は全て3.6メートル、トップスピーカー類だけ3.0メートルとかだと思う。
つまり初期値のまま使えば普通のアンプだ。
この初期値の状態で映画を見ても、ある程度5.1chっぽい場所にスピーカーを配置すればサラウンドで映画は見れる。
5.1chドルビーデジタルで信号が入力されれば、ドルビーデジタルデコードで再生される。
それはめちゃくちゃな音というわけではない。それなりにサラウンドにはなる。
スピーカーの種類やサイズが違うと、センターだけ音量小さくてセリフ聞き取りづらいとか、サブウーファーもクロスオーバー値が設定されてないから低音がスカスカとか、逆にブーミーだったりする。
AVアンプを使うからには、映画館のようなフォーカスの合った、臨場感や迫力のある音で楽しみたいわけだよ。
そこで、最初にやるべきことは、お部屋に並べたスピーカーとリスニングポイントまでの距離、各スピーカーから発せられる音量、小型スピーカーとサブウーファーのクロスオーバー周波数、極性、リスニングポイントの周波数特性をマイクで測定して補正をかけること。
これを自動的にやってくれるのがAudysseyセットアップ機能だ。
そうすることでぼくの部屋のようなごちゃごちゃした部屋でも音のバランスが整ったサラウンド音響になる。
この測定結果を元に、エフェクト(MultEQ-XT)をかけるまでの一連の流れがAudysseyセットアップ。
マイク測定は具体的にどんな感じか知りたい人はこちらの記事も参考にしてほしい(実際の測定動画もあり)
Audysseyセットアップの仕上げはMultEQ-XTの設定だ
でね、
測定直後にMultEQ-XTをどうしますか?と質問される。
純粋に映画を楽しむ場合は、Referenceを選択してDynamicEQをオンがいちばん映画館っぽくなる。
いろいろ試してみると単純な音量の制御よりも、包囲感のUPと、低音域の迫力に大きく影響するエフェクトがかかるので小型スピーカーメインで構成されているホームシアターの場合は積極的に使うべき👇️
次に、Dynamic Volume。ぼくはオフにしている。
ぼくの印象では、大げさな言い方すれば、ボリュームのコントロールというより「風呂場の音響」「カラオケのエコー」になる。
ちょっと音がチャチくなる。これが常にモヤッとしたフィルターのように存在するのでオフにしてる。
せっかく細かいスピーカーの配置やセッティングを煮詰めてきても、最後にこれをオンにすることで、途端にグレードが落ちてしまう感じ。
AVアンプの指示に従ってAudysseyセットアップを完了させると、測定結果を保存することになるんだけど…
まぁ、そもそもAVアンプなんて重くてデカいものを持ち運びすることもないから保存データは1つでも問題はないんだけどね。
ホームシアターしたい部屋のシステムに最適な設定が1つあればいいんだからさ。
例えば、フロントスピーカーを変えたとか、サラウンドスピーカーの置き場を床からタンスの上に移動させたという場合に当然音響は変わるから、その都度Audysseyセットアップをする。
そうして保存すると上書き保存されるというしくみ。
そして測定データを保存してしまえば基本的に全てのサラウンドモードで音量レベルと距離の補正、サブウーファーとのクロス設定は適用される(MultEQ-XTがオフでも)
でね、
ここわかりにくくて、X1600Hは一度マイク測定して基本設定を保存してしまうと、ずーっとその設定で音を出すようになる。これにはオンとオフの概念がない。
つまり、冒頭で触れた初期値と同じ状態に戻すには、工場出荷時にリセットしかない。
例えば2chで音楽を再生するとして、AVアンプの【PURE(Direct)】モードは余計な回路を通らないから、音質的には良好ということがマニュアルに書かれていることがあるけど、 【Audyssey MultEQ-XT オフ】 の状態。
これはよっぽど追い込んだセッティングができているオーディオ環境を持っている人の場合に推奨。
ぼくみたいに一生懸命やっているけどw、並レベル(以下)の音響環境の場合は、【Audyssey MultEQ-XT Flat】が適用される【stereo】モードで聞いたほうが、満足できると思う。
「Direct」と「stereo」を切り替えて聴き比べてみると聴こえかたの差がでるからね。
2.0chだと、たいして差がなく聴こえても、サブウーファーを加えた2.1chだと明らかに「stereo」のほうが良好な結果になることが多いとおもう。低域のクロスポイントも最適になるからね。
そういう意味でぼくはAVアンプの音楽再生も素晴らしいと思っているんだ。
もう一度この文章(名言)を読んでほしい👇
同じ意見の人に会ったことないけど(^^)/
それが5.1ch⇒7.1.2chアトモスとスピーカーが増え、本格的なホームシアターにするなら補正をかけるのは必須となるよ。
ぼくみたいに補正あり、なしを聴き比べてAVアンプの有効性を聴覚上確認したいというユーザーはあんまりいないかもしれないけどね。
Audyssey はコンテンツによって設定を変えて、楽しもう
MultEQ-XTのモードは4つ
Reference…フラットをベースにDENON秘伝のエフェクトがかかる。映画館っぽい雰囲気ならこれがいちばん楽しい。全てのコンテンツにこれを固定でも何の問題もないオールマイティー。
L/R Bypass…フロントスピーカー以外のスピーカーを補正する。う~ん上級者向けだねぇ、もうすでに音響的にフロントのステレオ再生は十分追い込んでいる人、ピュアオーディオ頻度が高い人は使うのかなぁ?ちょっとわからない(^^)/
Flat…部屋の周波数特性の乱れが補正され、まさにFlatな状態で、スッキリと聴きやすい、整った音響でハイレゾ音楽再生にもオススメ。近距離サラウンドに最適。
オフ…やや味気ない音響。イコライザー機能はオフになっている。部屋の周波数特性の乱れは補正されない。
ここまで説明したようにDENON、marantzのAudysseyセットアップ機能を使って映画を楽しむというのは、自動音場補正をしっかり行い、MultEQ-XTをReferenceにした状態を推奨してる。
でも、ぼくの意見を真に受けて一度設定したらそれっきりというのも、趣味としてはちょっと寂しい。
もう少し突っ込んで自分の環境(部屋の広さや形)はどうなのか?これによってもけっこう変わる👇
MultEQ-XTの最適設定は部屋の大きさによって変わる?
それに対してFLATの設定は、メーカーの取説によると「スピーカーまでの距離が近い場合に選択してください」とある。
このぐらいのリスニングポイントから1~1.5メートル以内の近距離サラウンドならFLATがオススメ。
この距離感でReferenceだと、包囲感というより圧迫感が勝る印象。
次にリビング。
メーカーが家庭のホームシアター環境として想定してる広さはたぶんこれ。
リビングで10~12畳ぐらいのホームシアターならReferenceがいい。しっかり包囲感が出る感じがこのぐらいの広さから自然になってくる。
MultEQ-XTがReference、L/R Bypass、FlatだとフロントパネルにAudysseyが点灯する。
MultEQ-XTがオフの時はフロントパネルにAudysseyと表示されないが、それでも距離と音量とサブウーファーとのクロクオーバー設定は有効だ。
これが誤解されることが多い。マニュアルにかいてないからね。
Audysseyという表示が消えていていると、全ての補正値や設定機能が働かないように感じてしまうよ。
DENONによると周波数特性だけでなく、音量、距離全てを連動させて変化させてるとのこと。
単純なグラフィックイコライザーだけの機能ではないようだ。
まぁ、プロの技だね。秘伝のたれみたいなもので、何が行われているのかはぼくにはわからない。
これはおそらく、他のメーカーのAVアンプユーザーには、???となるかもしれない。
アナログ入力には音場補正が適用されない機種もあるからだ。
デジタルで入力されたものがデジタルのままDSP処理されてアナログ変換され出てくるという流れをイメージしてしまうと、何故アナログ入力でもOKなのか不思議だが…
最終的にそうなるように、演算され出力されるようになってるとDENONのサポートの方が言ってたのでそうなのだ。しらんけど(^^)/
これで音楽の楽しみも幅が広がる。
PCでデスクトップオーディオを楽しんでいる人はX1600Hとの間にお気に入りのUSB-DACを接続してライン(アナログ)入力してもいい。
好みのUSB-DACから出力してアナログ接続という場合、ハイレゾの綺麗な音源を入れて、部屋の音響も整えた状態で、サブウーファーも適切にミックスされて心地よく聞けるからぼくは好きだ。
あとは…ゲームね!
メガドライブなどのレトロゲーム機などをライン入力(アナログ)から繋げても、当時は再生できなかった高音質で楽しめるし(昔のFM音源好きだ)
話逸れるけど、レトロゲームの音響を高音質で楽しみたいコアな人にはこれいいよ👇️
昔のゲームがなんとHDMI(デジタル)接続できるんだ!音が記憶とぜんぜん違うw
Audysseyの表示が消えた!Audysseyが使えない!ときの対処法
対処法はふたつある。
・まず先ほどのMultEQ-XTがオフのとき。オンにしてみよう
・測定マイクによる自動音場補正の測定中にマイクを抜いた、もしくは最後の設定保存まで正常に測定が完了しなかった場合。もう一度ちゃんと最後まで設定を完了させよう。
・ある日いきなりAudysseyの設定が消えてしまうケースがある(経験あり)いきなり消えるからあせる。つまり購入時の設定と同じまだAudyssey設定していませんよ。の状態になる。再度測定すればAudysseyが使えるようになる。
Audysseyの測定結果を参照してマニュアルEQ設定したいんだけど…
ここからはちょっと難しい設定の話になるんだけど…
イコライザーの補正カーブをコピーする機能がある
手順は、
MultEQ-XTをオフにする
マニュアルEQが選択可能になる
MultEQ-XT【Flat】の補正カーブをコピー。(コピーできるのはFlatのみ)
これでマイク測定結果がわかる。
このイコライジング数値を参考にすることで、部屋の音響特性をフラットにするヒントになるかもしれない。
ぼくはルームアコースティックとか苦手でぜんぜんわからんけど、詳しい人ならフムフム…と楽しめる。
因みに、マニュアルでイコライザー調整を変更した場合の反映は、マニュアルEQをオンにしているときのみ。
MultEQ-XT【Flat】に上書き保存されるわけではないので注意。 MultEQ-XTの内容は変更できない。
マニュアルEQか MultEQ-XTのいづれかを選択して使うということだね。
ぼくもこの機能に満足してる、さすがはホームシアター専門店の味付けって感じで、伊達に100年企業ではない。DENON頑張ってる。
映画館でも採用されているMultEQ-XTという音響技術を開発したAudyssyという企業。
これが凄いのよ。
映画館ではおなじみのIMAXシアター。
ここで使われている音響技術がMultEQ-XTとほぼ同じものらしい。
もう10年以上前だけどね。
DENONのX1600H、このエントリークラスのアンプでも映画館音響のDNAが受け継がれてるというロマンがたまらない。
ぼくみたいに専門知識はないけど、音響に対する愛情はあるという人間はIMAXなどで活躍する映画屋のプロの技を使わせてもらって再生するのが、「庶民のホームシアターなのに…なにこれ凄い!」の楽しさじゃないかなぁ?
AVR-X1600Hユーザーはもちろん、
YAMAHA、パイオニアユーザーは各社独自の同じような機能があるだろうから、愛着のあるメーカーで楽しむヒントにはなったかな?役にたてれば嬉しい。
ぼくも勘違いたくさんあると思うので、もし詳しい方いたらお問い合わせから優しくコメントください。
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