ホームシアター

DynamicEQ設定をオンにすると映画の臨場感が良くなる理由

AVアンプを使ってる人にはお馴染みの、DynamicEQという機能について話すよ。

因みにDynamicEQのお買い上げ時の設定はオン👇

DENON公式より引用

でね、

「…音量レベルを下げた際に発生する音質の低下を防ぎます」

とあるわけ。

コアユーザーや、ホームシアターマニアの人はこういうの基本的にオフにしてしまう傾向がある。

くろかわ
くろかわ
でもね、庶民のホームシアター環境ではDynamic EQを常にオンにしておいた方がサラウンド感は良好、デメリットの対処法も解説するね

マニュアル記載の【音量レベルを下げた際に発生する…】これをそのまま受け取ると、通常のレベルで聴いてる時には補正はかからないと思ってしまう。つまり大した機能ではないからオフにしてしまおう…となる。

それがけっこうもったいない気がする…

えいが子
えいが子
実は超サラウンドな機能だったんだよね…発見時のあんたは憑りつかれたように映画Blu-rayをみたりゲームで確認したりしてたよ、ヨダレが凄かったのを覚えてる

ぼくも最初はオフにしていたんだけど、聞き比べるほどいろんなことがわかってきたので解説したい。
注:この記事は比較的安価なシステムを研究している、ぼくの個人的な感覚で書いてる!最終的にはみんなの好みで決めてほしい。

注:超高級なシステムをもってる人は参考にしないでね。オフの方が素晴らしく感じる分岐点はありそうな予感…

DynamicEQをユーザーはどう感じているのか?

ウエブ上のユーザーレビューなどではこんな意見があるよ(^^)/

⭐私の環境だとDynamicEQをONにすると低音過剰補正の感じがします

⭐ DynamicEQは現状OFFで使用してます。SWありのセッティングで映画を観ると、低音が強すぎてセリフにかぶって聴きづらいです。OFFのほうがナチュラルで好み。

⭐購入当初、オフのほうが良いのかと思っていましたが実際には違うみたいです。

⭐ DynamicEQは私の環境だと過剰補正過ぎる感じです。音が大きすぎてボリュームを下げるとさらに強く補正がかかって、最終的には声が聞き取りづらく、結局OFF。 ※これある!特定のボリュームの時にバランスが悪い時ある。でもそこのポイントは狭いので、そこを外して楽しむようにしてる。

そもそもお買い上げ時の設定がオン、

という理由から比較的ライトユーザーにはオンが当たり前でオフにしたことなどないという人が多いとは思う。

だからOFFにしている人の意見を中心に眺めていた。

低音過多、セリフが埋もれるというのがオフにする主な理由のようだね。

センタースピーカーのありなしとか、サブウーファーを含めたスピーカー構成によっても最適解は変わると思うからコメントだけだとイマイチわかりにくいね。

低音過多に関しては、ぼくもギリギリのラインと思うよ。というか半数の人は驚いてオフにしてしまうかも?

それは共感できる。

映画館の音響って音がいいのに、2時間以上観てけっこう疲れるよね。

あれはやはりド派手な音作りで身体が強張るシーンも連続するからだと思う。低音の音圧もあるだろうけど。

そう考えると、映画館のようなド派手なサラウンド感をとるか、聴き疲れないナチュラルさをとるか(サラウンド感は弱くなる)という選択ともいえる。

DynamicEQをオンにするとどうなる?

DenonAVR-X1600H

DynamicEQをオフの状態からオンにすると聴覚上どんな変化が起こるのか?

えいが子
えいが子
どうなるのよ?早く教えなさいよ!
くろかわ
くろかわ
オンにすると、圧倒的な包囲感、サラウンド感が際立つ、つまり映画館っぽい

多くの人がイメージするのは、

「家庭で音量を上げられない環境でも、低音が音瘦せしない機能」

ところがだ…

そんなことには全く意識がいかないほどに、包まれ感が上がる。

これは音量関係なく上がる。

例えば5.1chって、「ホントに360度か?」と尋ねられたら、「ぶっちゃけ210度です!」みたいなとこあるじゃん。

それがオンにしたとたん270度ぐらいの包囲感がある。

くろかわ
くろかわ
さらに7.1chだとさらに包囲感がアップする。個人的には7.1chの方が切り替え時の差も顕著に感じるよ

そして密度感もあがるよ。

左右後方からのインフォメーションが鮮明になる。

アトモス天井スピーカー
立派なスピーカーじゃなくても、包囲感が素晴らしいよ(^^)/

5.1.2chのようにトップスピーカーを鳴らすアトモスや、ドルビーサラウンドの場合にも高さ方向の存在感が増すような気がする。

よくあると思うんだけど、リアルサラウンドやってるのに、イマイチ疑似サラウンドと大差ないと悩んでいるケース。サラウンド感が弱いというやつ。

こんな場合にはオンが有効かもしれない。

そしてしばらくしてやってくるのが、かなり低音過多に感じる。

「ああ…そんなに?このシーンでこんなにきちゃう?」というぐらい低音の音圧は上がる。

これは人の好みと言われればそれまでなんだけど、

サブウーファーが、振幅の限界を超えてクリップするぐらいなら、それは音が破綻してしまうからレベル落とすしかない。

ぼくの場合も、多くのユーザーと同じく、セリフの明瞭度が足りないのと、低音強すぎを感じたから少し変更を加えている👇

セットアップ⇒オーディオからこの画面で変更できる

センターを+0.5dB、サブウーファーをー1.0dB(ぼくの場合)

これで良好なサラウンド感を保ったまま、セリフの通りが良くなり、ブーミーな低音から程よい低音へ好みの音に調整できた(^^)/

あとは…特に激しいアクションシーンとかではなくて、普通の会話主体のシーンがあるじゃん。

そのバックグラウンドで小さめの音量で音楽が流れていたりする。

これがオフの時はほとんど意識にはいってこなかったものが、オンにしてみるとわりとハッキリ聴こえてくるようになる。

これは作品にもよるし、製作者が意図してそのような録音にしてるのか?自分のシステムが強すぎるのか?真実はよくわからないよね。

背景に溶け込むような音の表現も、わりとはっきり聞こえてしまうというのは、好みが別れるかもしれない。

DENONのサポートに音量が低い時の定義について尋ねたところ、明確な答えはいただけなかったけど、ボリュームが○○以下とかそういう単純な判定ではなく、スピーカーの各種パラメーターが複雑に関係しているという。

逆に一般家庭としては、わりと音量を上げた時にバランスがおかしくなるのか?

また音量を上げていくとDynamicEQオフの時と同じ音響に接近していくのか?と検証してみたけど、

ぼくの聞いた感じだと、音量は関係なく常にわりと良好なサラウンド感のバランスを保っていたよ。

ぼくが思うにリスニングポイントに届く各スピーカーの音量や、周波数特性が、測定マイクで全て同じレベルに調整された状態(フラット)のサラウンド感って意外と物足りないはずなんだよね。

Blu-rayディスクに収録されたマスター音源を、そのままフラットに再生できたらいいように感じるじゃん。

でもさ…素人考えだからおかしいかもしれんけど、

自動音場調整マイク

測定マイクって全方位遮るものがないけど、人間の耳の形って前の方からの音に対しては集音作用がある形だし、後方からは遮られるかっこうだよね。

そうするとサラウンドスピーカーや、サラウンドバック、同じく上方からのトップスピーカーは鼓膜に対して音量や、周波数特性的には不利だよね。

そのあたりをMultEQ-XTと連動して考慮してなにをしているかというと、

DynamicEQは後方と上方のスピーカーのレベルをもち上げている。

長年ホームシアターを研究されている方がいる。

ぼくが勝手に尊敬してるんだけど、

「ホームシアターBライフ」というブログの記事で、DynamicEQをオフからオンに切り替えた時の各スピーカーの音量の変化を測定しているデータがあって、それによると後方に設置したスピーカーからのレベルがかなり大きめに補正されている。

完全に同じ音量であわせたら最高ではなくて、耳は後方からの音が聴こえにくいという点を考慮して、聴覚上同じを目指すとサラウンド感がリッチになるということかしら?

ぼくはこの方ような科学的接近が苦手だから、単純に映画館みたい!
良かった(^^)/で終わってしまうんだけど、そういうことらしい。

もっと複雑にいろいろ制御されているのかもしれないけど、ひとまずこれで少しは合点がいく。

マニュアルでAVアンプを調整する記事も書いてるけど、最終的な微調整でサラウンド感がもの足りない時に、サラウンドスピーカーのイコライザーを上げ気味にしてサラウンド感を強調できる場合もあるというのと理屈は近いのかもしれない。わからんけど。

えいが子
えいが子
あやふやな知識と適当な性格でよくやってるなw…あんたみたいなオタクの情熱ってスゲーと思う

だから、もしマニュアル調整でサラウンド感があと少し!というところまで追い込んでいる人にはこのDynamicEQがやっていることはヒントになるかもしれない。後ろやや強め!みたいな(笑)

音楽ライブ系の映画を観ると、オーディエンスの歓声がスタジアムに響くけど、ここで先ほどの包囲感は没入感に影響するから重要。口笛のぴゅーっ!とかが左後方10メートルぐらいのところで発せられたように聞こえると楽しいよ。

↑近隣の騒音クレームが怖くて音量上げられないのが悩み。
地下室欲しいw

そして低音過多の問題だけど、

そもそも映画音響って、低音のアタック感凄いじゃない。

そういう意味ではギリギリ不快でないくらいの強めの音圧が映画鑑賞では正なのかもしれない。

サブウーファーとセンタースピーカーを導入してないシステムでフロントが小型スピーカーだとセリフの明瞭度が犠牲になったり、低域がブーミーになるかもね。

低音を語るうえで注意しなければいけないのは、単純に低域のボリュームが大きめだとしても、低音の質がブーミーであれば、うるさくて聞いてて辛いとなるし、調整がキマってて質が良ければ迫力がある、カッコいい!となるからだ。

くろかわ
くろかわ
結局行き着くところはサブウーファー調整がキモだったりする

ぼくはYouTubeを見るときは、DynamicEQをオフにしている。

こういうしゃべる系や音楽系はオフが自然かな

YouTubeの配信音声が2chだからというのもあるんだけど、それを5.1ch以上のシステムにアップミックスして聴くとセリフが音割れするような…サシスセソが刺さる感じになり疲れる。

YouTuberの声も魅力的じゃなくなってしまう。

このような時はstereoモードを選ぶかDynamicEQをオフにするのがいいと思うよ。

そんなわけで万能というわけではないけど、映画サラウンドを楽しむ時はオンも試してみよう。(あとゲームする時もね)

えいが子
えいが子
結局あんたはどうしてるのよ?

厳密に言えば、 DynamicEQをオンにすることで音の質はオリジナルからやや変化する気がするんだけど、圧倒的な包囲感は映画サラウンドの楽しさに直結するので、細かいこと気にせず楽しさ没入感、迫力優先で今はオンにしてるよ(^^)/

またシステムが変われば、コロコロ変わってもいいと思ってる。

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