目次
シアターディメンショナルとは何なのか?
シアターディメンショナルとは、スピーカーを後ろに置きたくない(置けない、買えない)人がリアルサラウンド風味を楽しむためのリスニングモードだよ。
つまり、以前からぼくが毛嫌いしてた、バーチャル(疑似)サラウンドなんだ。
この機能はONKYOのAVアンプ独自のDSP(デジタルシグナルプロセッサー)。当然他のメーカー製アンプでは使えない。
正直 シアターディメンショナルもう古くないか?と聞かれれば、最新のオブジェクトオーディオに比べたらまぁ、それなりなんだけど、
なかなか侮れない良さがあるから紹介したい。
現在ほとんど知られていない。ONKYOのAVアンプユーザーもたぶんあんまり使っていない。ぼくもそうだった…
ぼくはONKYO TX-NA609というアンプで5.1cの映画を観てた。
このTX-NA609 にも、シアターディメンショナルモードがある。
つまり最低でもこの世代(2011年以降)に発売したONKYOのAVアンプなら、ほとんど対応しているはずだ。それ以前についてはちゃんと調べてない。ごめん!
元の音源が2chのステレオの場合、シアターディメンショナルで観ることで、ステレオに比べてややサラウンド感が向上する。
わかりやすい言葉にすると、映画館っぽくなる。
アニメ「ワンピース」とかもテレビ放映はステレオじゃん。そういう作品を見るときにも音響が少し派手になるから音が楽しい。
しかも10年以上前の技術…
失われた古代文明のような扱いでどの文献(ネット検索)にもほとんどでてこない
シアターディメンショナルとの出会い
そもそも、何故使うようになったのか?
ぼくは5.1chサラウンドに特化した貧乏ホームシアターの研究サイトを運営してるくらいだから、
ハッキリ言うと疑似サラウンドなんて大嫌い!
なはずだった。
シアターディメンショナルに出会うまでは…
ある日のこと、ぼくはいつものように貧乏サラウンドシステムでダークナイトかなんかを5.1chサラウンドで観ていた。
システムはこんなの👇お1人様用5.1chだ。
我ながらいい音響だ🎵ぐっひっひっと快楽に浸っていると、なんとなく視界に入ってきたアンプのディスプレイ部分に、見慣れない表示が…
うん?
T-D…なんだろう?
ONKYOのアンプって意味わかんないくらい多種多様なリスニングモードみたいなのがある。
で、
切り替えてみるとどれも同じ音がする(爆)
ところがこいつは違ったのよ。
ぼくがリアル5.1chだと思って聞いてたダークナイトの音響は、じつはシアターディメンショナルモード(疑似サラウンド)だった。
後ろのスピーカーからは音は出ていないのに、気が付かないレベルでリアル。
恥ずかしい…
恐らく膝かなにかがAVアンプのパネルに当たって、T-Dの機能がオンになってしまったのだろう。
それにしても、ドルビーデジタル+と表示がでてるいつもの5.1chリアルサラウンドにかなり近い音がする。下手すると迫力はシアターディメンショナルのほうが…
これを認めてしまったら、自分の5.1ch研究人生が無意味だったということを認めることになる(笑)。
ガチンコ比較!リアル5.1chVSシアターディメンショナル
ネットフリックス「FORMULA1 栄光のグランプリ 1-9オープニングシーン」より引用
ピットインのタイヤ交換から、マシンが発進して、再び走り去る一連の音響がカッコいいシーン。
作業完了後に、左にマシンが抜けていくが、画面から消えてもマシンのエキゾーストは響き渡るみたいなカッコよさ。
ここでリアルサラウンド5.1chだと、タイヤを装着するときのドリル音が、自分に近い位置でドゥツドドドド!と響く。
シアターディメンショナルも悪くはないが、このシーンはさすがに臨場感ではリアル5.1chにやや劣るシーンであった。
この16:15から数分間のシーンはサーキット開幕の会場の雰囲気が伝わってきて好きだ。
F1の会場に行けないぼくには楽しい。
17:45のところで、レース開始前のドライバーの緊張した呼吸音がする。ヘルメット内で反響するような音。
わかりやすく言うとダース・ベイダーのあの音が超絶リアルになったような質感。
ほとんどの項目でほぼ同じなんだけど、このポイントの再現はドルビーデジタルプラスがいい。
ホントにヘルメットを被っているような呼吸音に聞こえてリアルだ。
かなり調整できた5.1chで比較実験を2時間ほど繰り返しても、結論としては、ほぼ同等。
シアターディメンショナル、擬似サラウンドとはいえ、かなり頑張ってる印象だ。
ONKYO凄いよ。
もちろん、ひとつの作品のなかで数箇所は5.1chのほうが優れていると感じる。自然な表現でさすがだなと。
でも逆に言えば、その他多くのシーンで、リアル5.1chに迫る音響を楽しめるシアターディメンショナルは素晴らしいといえる。
シアターディメンショナルの効果を最大にするポイント
シアターディメンショナルが最大に効果を発揮するのは以下の条件のときだ。
入力ソースは5.1chデジタルサラウンドにする(DD.DD+)
センタースピーカーを含めた3.1ch推奨
フロントL⇔Rとリスナーの、3点の距離をなるべく正三角形に近づけて視聴
スピーカーからの距離が近いシステムほど、サラウンド感は5.1chに迫れる。スピーカー距離が遠くなるほどサラウンド感は弱くなる気がする。
まず、シアターディメンショナルは
2chステレオソースよりも、ドルビーデジタルやドルビーデジタルプラスのデジタル5.1ch信号を、センターを含めたフロントスピーカー3個で視聴する場合に最大の効果を発揮する。
だから先ほどアニメ「ワンピース」の視聴を例に挙げておススメしておいて申し訳ないのだけど…
2chソースがあたかも5.1chサラウンドのように聞こえる機能
というのはおまけ程度で
大本命は5.1chサラウンドのソースをダウンミックスした音を、フロントスピーカー、センタースピーカー、サブウーファーで上手にサラウンド感を演出してくれる機能。
もちろん、基本の調整がしっかりできていることが前提だ。
そもそも、シアターディメンショナルの素晴らしさを発見するアプローチが、
5.1chをしっかり調整して、良好なサラウンド環境をつくり映画視聴
⏬
🤔うーん、いい感じ
⏬
シアターディメンショナルに切り替え
⏬
ん!こっちもいいじゃん!
これな!この感じわかる?このびっくり感と、受け入れ難い感情が入り雑じる…
悔しいが、これは受け入れなければいけない。
同レベルのサラウンド感どころか、普通に変形リビングなどで無理やり設置の5.1chでは到底勝ち目がない…
そんな場合いっそのこと、
ちゃんと調整した3.1ch+シアターディメンショナルのほうがいい。
センターを加えた3.1chにしてシアターディメンショナルをかけると、さらにリアルに!
このシアターディメンショナルはフロント2つのスピーカーとサブウーファー、つまり2.1CHでも可能だけど…
特にセンタースピーカーを有りにしたフロント3.1chでシアターディメンショナルをかけると、セリフが明瞭で聞き取りやすいうえにサラウンドの広がりが自然だ。
ストレートに映画っぽい、分かりやすい迫力が誇張ではなく、自然にプラスされる素晴らしさ。
例えばワイルドスピードなら、今まで1500ccぐらいに聞こえた改造車のエンジン音が3000ccの車になる。
画面上の人やモノが移動する時にちゃんと重さが伴うのを感じる。
軽くない。
語彙力が足りず…魅力を上手く表現できないのが悔しい(泣)
何度もセンター有と無しを聞き比べて出した答え。
部屋の後方にサラウンドスピーカーは無理でもセンタースピーカーは頑張って使ってみてほしい。
映画サラウンドマニアの間でセンタースピーカー不要論というのがある(笑)
ぼくは個人的にセンタースピーカーは必要だと思っている。
これは、サラウンドやるならセンターなしの4.1chではなく、5.1chにして一生懸命調整することで素晴らしいサラウンドにしようというもの。
さらに、以下の2つをよーく考えてくれ
①フロントスピーカー+2chオーディオアンプ=すっきり高音質な2chステレオ再生。
②フロントスピーカー+センタースピーカー+サブウーファー+AVアンプの疑似サラウンド(T-D)=迫力のある3.1CH再生。
①と②はサブウーファーの有無からくる再生できる音域の広さに差がある。低いところまで再生できる②のほうが映画視聴なら有利。
しかし、音質だけなら一概に②のほうがいいとは言い難い。音楽などの場合は①のほうがステレオアンプでシンプルに高音質だったりする。
ぼくがこだわるのは、映画館っぽい音響。
その場合にポイントとなるのは、②のAVアンプの疑似サラウンド(T-D)機能の活用だ!
これでリアル5.1chに迫れるサラウンド感を楽しめる。
もうひとつ!シアターディメンショナルには知られざるメリットがある。
フロントスピーカーが低音の出ない小型フルレンジ(8cm以下)を使う場合だ。
そうすると必然的にサブウーファーで150hzぐらいの音域まで鳴らさないと上手く繋がらないというときがあるだろう。
しかし、これをやるとサブウーファーから音が鳴ってるのが明瞭になり、音がバラバラに感じる。
そんなとき、このシアターディメンショナルをオンにすると、サブウーファーから音が鳴ってブーミーに聞こえてしまう状態がかなり改善される。
自然に馴染むという表現がぴったりだ。
クロスオーバー設定は奥が深い。詳しくは↓をみてほしい
シアターディメンショナルは死角なし?デメリットと注意点
これから2.1CHのシステムを構築してホームシアターしたい人。
現在ONKYOのAVアンプを使って2.1CHや、3.1chサラウンドを楽しんでいる人にシアターディメンショナルをおススメするよ。
ここでは紹介しなかったが、
DSPといえばYAMAHAが老舗だ。
さらにみんな大好きBOSE。独自のサラウンド技術が素晴らしく、5.1chのソースでなくても 恐ろしいくらいにサラウンド感がある。
もともとサラウンド感が強めの音源をDSPで立体的に再生するのはわりと簡単なんだ。
しかし、普通のステレオの音源を立体的にしてしまうのが凄い!さすがボーズ博士。
BOSEは値段もすごいからね…いいものはすぐ10万コース。
他にも大手メーカーには似たような独自のDSPモードがいくつかあると思う。
当然、自分が使っているシステムとの相性もある。
最後にシアターディメンショナルにも少し弱点があるとすれば、低音にエフェクトがかかり気味なこと。少し盛っている…
まぁ、これはどのメーカーのDSPも同じ傾向はあるんだけど、低音過多とサラウンド感は紙一重なとこある。ドゥーーーンと唸っていればなんか包まれ感?みたいな感じは確かにある。
音の好みは人それぞれ。
でもシアターディメンショナルはかなり自然な立体感になっている。
音響がやや派手になる。というレベルでバランスがいい。
映画は重低音の存在が独特の臨場感を生んでいるとも言えるので、これはなかなかセンスがいい。
他のオーディオマニアの方の意見をみると、このDSP(デジタルシグナルプロセッサー)というのは、聴く人の感性に大きく左右されるらしい。
ある人は「BOSE最高」といい、
ぼくみたいに「シアターディメンショナルなかなかいいね」と感じる感覚もある。
だから、バーチャルいまいちだなぁ…というより、自分の感性に合うDSPを見つけるという考え方をするといいだろう。
YouTube(ステレオ)の視聴でも万能なシアターディメンショナル。
3.1chを構成したら、すべてシアターディメンショナルでいいとさえ思うほど。
低音成分が強めの音楽では、響きすぎていまいちな楽曲もあるだろう。
その場合はステレオモードやピュアオーディオモードで楽しもう。
映画を楽しむのに決まりはない!
でも、今より少しだけいい音で観れたら…
その方法はぼくのサイトに書いてある。
いろいろ読んで映画音響を楽しんでね(^^)/
この記事おわり!
ぼくの映画館使用AVアンプ👇この価格でアトモス対応の神機