映画の5.1chサラウンドシステムのセンターに、FOSTEXのFE83ENという小型フルレンジスピーカーを使っていた。
一般的に本格的な映画サラウンドシステムはツーウェイ以上のスピーカーで構成されるから、特に低域の出ない小型フルレンジFE83ENってどうなの?という疑問がわいてくる。
5.1chスピーカー選定に悩む人、FE83ENに興味がある人に知ってもらいたい内容だ。
目次
小型フルレンジスピーカーFE83ENはどんなモデル?
FOSTEXというメーカーのFE83ENという名機は現在は終売の為、買うなら中古となる。
当時は新品が1本3500~4,000円ちょいで買えたと思う。
後継機のFE83NV👇️時代とともに進化してる。現在ぼくのメインシステムのセンターはこれ
なぜFE83ENを映画サラウンドのセンターに使ったのか?
FE83ENは8年ぐらい前に自作スピーカーマニアの聖地、秋葉原のコイズミ無線で購入して、BOXは10㎝ユニットのものを加工して組んである。
*FE83系は8センチモデルなので、P800-Eがそのまま付けられるサイズのBOXだが、コイズミ無線で実際に聞き比べると低音の量感がP1000-Eのほうが優れていた。
そのままでは口径が合わないのでスペーサーを使用する。
前面に肌色の木材が張り付いてるのがスペーサー、自作派の人はコイズミ無線でいろいろ入手できる。
購入時、FE83ENは新品でペアで8000円+BOXと端子やターミナルが必要だから、おおよそ15000円ぐらいだったかな?…
1本の価格としては7500円ほど。
女性ボーカルものを堪能したいときに愛用していたのだけど、映画サラウンドを研究していたら、さすがにスピーカーが増えてきて最近は倉庫に眠っていたが、
「庶民の小さなサラウンドシアター」を研究しようと思い、引っ張りだしてきた。
そう、センターキャップも不注意でつぶれてしまった(涙)
悲しかったよ…大好きなスピーカーだったから。
新品を買ってすぐならまだいいのよ高級なものではないからね。
それよりも数年使って、ウーファーもやや黄ばんでエージングも進んだ頃に潰れるとなんか情がうつるというか、きつい。
でも目を閉じて音楽を聴くと聞き分けることはできない。
相変わらず美しい音色を奏でる。そりゃ機械で測定したら何かしらの変化があるのかもしれないが、ぼくの耳にはわからない。
この8cmのフルレンジスピーカーをサラウンドのセンタースピーカーとして使ってる時点で、
「こいつ素人だな…」と
ぼくのサイトを閉じた専門家の方もいると思う。
一般的にデジタルサラウンドは、しっかり高音域が出る2ウェイスピーカーを推奨してるし、センターの音質が最重要と言う人もいるから、低音まである程度出るフロントと同等のものを使うのがセオリー。
だから高音も低音も得意ではないフルレンジスピーカーは邪道、もしくはエントリークラスの扱いとされている。
しかもこのFOSTEXというのは、特にサラウンドに不向きという意見が多いんだ。
自作派の人達がみたら
「ああ… 、いいスピーカーだけど5.1chにはちょっとどうかな…」
となるはず。
ところが、ぼくはあえてFE83ENを使っていた。初めはフロントに使ってみたけど、この使い方だとサラウンドスピーカーとの繋がりがいまいちよくないし、映画本来の迫力というものがほとんどない。
何しろ低音がほぼでないので、その分サブウーファーに振り分けて出力されていて、サブウーファーも小型のモノを使っているので辛そうだ。
このスピーカーは低音が出ない。
普通のでないというレベルではない。160hz以下はでない。
どういうことかというと、ドンという身体に響くアタック音がほぼ皆無ということなんだ。
じゃあ何処がいいの?
となるけど、高音域は得意。
特に女性ボーカルを鳴らしたら、このスピーカーの右にでるものはないくらい、心に響くいい音色。
これはBOSEが音がいいとか、ダリがナチュラルとかそういう方向の話ではないのだよ。
人の声の切なさや、哀愁が漂う粋な音
だから低音が不足してるのは百も承知の上でセンタースピーカーとして利用してシステムを組んでいる。
結局、小型フルレンジスピーカーのサラウンドは成立するのか?
FE83はちょっと極端な例だけど、一般的な小型フルレンジの場合、近距離サラウンドをオススメする。
もちろんぼくみたいにフロントスピーカーなどに2ウエイスピーカーが混ざっても組み合わせによっては全く問題ない。
それどころか、いろいろ実験した結果、むしろ最高の音響をめざしていくと、最終的には違うユニットの組み合わせになるような気がする。
やはり、比較実験してしまうと、フルレンジと2ウェイでは差が出る(^^)/2ウェイのほうが、生活音や環境音が圧倒的にリアル。
ぼくみたいにどうしてもセンターにフルレンジ使いたいなら、
10㎝以下のフルレンジスピーカーで、高域が美しく再生できるようなスピーカーなら試してみよう。
ついでに書いておくと、スピーカーのメーカーは特に合わせなくていいからね。
「映画サラウンドではスピーカーのメーカーを統一したほうがいいのでしょうか?」という質問をよく見かける。
ぼくのシステムはメーカーめちゃくちゃでやってきた。最初はそこまで神経質にならずに、サイズや能率などを重視するようにすれば大丈夫(^^)
FOSTEXはサラウンドで使用する人あんまりいないようだけど、
FEFE83NVをセンタースピーカーとして使う
というのはなかなかいい選択だと思うんだ。なによりセリフが美しいし、音が聴き疲れないんだよね…
これは心配な気持ちよーくわかる。
ぼくも最初怖かった。
例えばAVアンプってチャンネルあたり130Wとか。
それなのに小型フルレンジは8Ωとはいえ定格で8wとか10wとかだから、なんか一瞬で飛びそうだよね。
でも通常の音量なら特に問題ない。
詳しくはこちらで解説してる。安心してサラウンドを楽しむためにも読んでみて⬇️
「低音出ないセンタースピーカーってどうなのよ?」
これが気になるところなんだけど、人によっては音圧的に物足りないとなるはず。
でもぼくのシステムではギリギリ成立する。
フロントとサラウンドの4台がNS-BP110という、小型のわりにレンジの広いスピーカーを使ってる。
だからセンターとのつながりはともかく、映画全体の骨格となるサラウンド感は良好だよ。
センタースピーカーだけは低音でないので、180hzでサブウーファーとクロスさせてる。
フロントを80hz以下ぐらいで組めればある程度の迫力は出るよ。
FE83ENでホームシアターが豊かになる
海外のオーディオ愛好家の方のお部屋の写真を眺めていると、ぼくにはとても手が届かない高級なスピーカーが並んでる。
JBL~B&W~北欧系スピーカーまで様々。
その中にひっそりとFE83ENが佇んでいるのを発見することがある。
愛好家はきっと価格ではない価値を感じてるのだろう。
FE83ENを2.0chステレオ再生でBGMを流し聞きするような使い方をしてみる。
超高域でない、サブウーファーも鳴らさないから低音は全くない。
最初はたまらなく物足りない地味な音に聞こえる。でもBGMとして流して作業しているうちに、素晴らしく美しい音が流れていることに気が付く。
「これがあれば、高価なスピーカーは買えないけど幸せだなぁ…」と思う瞬間だ。
という訳でこれから長くつきあうなら入手のしやすさで、後継機FE83NVはオススメだ。個人的にはENより、正常進化で良くなっていると思う。
もっと攻めたい人には、段ボールもある👇