5.1chにおいて、サラウンドスピーカーを含めた全てのスピーカーの高さと距離と角度を揃える(ITU-R配置)ことが理想ということになってるんだけど…。
スピーカーの高さを揃えたITU-R配置の音を実際に聴いてみよう
写真は6畳の和室なんだけど、推奨値よりコンパクトにしてる。
高さは120cm揃えが推奨のところ、椅子に座って軽くリクライニングした耳の高さ80cmで統一。
各スピーカーからリスナーまでの距離は90cm。
でね、
ITU-R 配置は一般に推奨されているだけあって、映画の中のモノの移動感と、音の鳴る位置が正確に再現されて、サラウンドとしては理想的なんだよ。
だからいつもよく観ているシーンを再生すると、「ああ、こういう表現だったのね…」と音響製作者の思いが伝わってきて楽しい。
適切なスピーカー配置でピントがしっかり合うと、今まで気がつかなかった音がたくさん含まれていることに気がつく。
無音だと思ってたシーンで
小さくバックコーラスが流れていたことを知るとかね。
サラウンドスピーカーからの音を遮る原因は椅子にあった!ITU-R配置の問題点
背もたれの低いパイプ椅子に座って、姿勢を正して2時間映画を観るなら音響は最高だとおもうけど…
全てのスピーカーの高さを耳の高さに揃えた場合、フロントスピーカーとセンタースピーカーからの前方の音は自然に広がるとして、サラウンドスピーカーから発せられた斜め横後方からの音が、ハイバックの背もたれに遮られる格好になる。
ぼくの中華製ゲーミングチェアもレーシングカーのバケットシート形状で頭を包むような造りになっている。
これが意外と、後方からの自然なサラウンド感を歪ませる要因になっているんだ。
多少なら頭の位置を浮かせることで改善することはできるけど、根本的には解決しない。
つまり、耳の高さに全てのスピーカーを揃えましょうというのは、
実験して短時間試すぶんにはいい音響なんだけど、リラックスして背もたれの立派な椅子やソファーで2時間映画鑑賞を楽しむという目的には最高とは言い切れないのだよ。
みんなが求めてるのは明らかに後者だよね?
【解決策】サラウンドスピーカーの高さを上げて、角度を付けてリスナーに向ける方法
このハイバックの背もたれ形状でも、かなり上方向から音を出すことで、設置角度などけっこういい加減でも、サラウンドが成立してしまう不思議。
音の広がりや、モノの移動する感じは6畳サイズの等距離サラウンドに比べてしまうと、やや劣るが、お一人様サラウンドシアターとしてギリギリ映画らしい音響が成立する限界のサイズだ。
そして高い位置からのサラウンドは映画の雰囲気がいい。
サラウンドスピーカーに6.5cmの小型フルレンジP650Kを使ってるのもポイント。
超近距離(30cm以内)のサラウンドとかいろいろ試行錯誤したけど、独特の圧迫感と、スピーカーから音が出ている感じが消せないからあきらめた。
直接音の割合が多いから、ぼくみたいに、調整機能がショボい1万円の中古AVアンプを愛用してる庶民のホームシアターにもぴったり。
というわけで、🏠️の場合、スピーカーを ITU-R配置どおりに、同一平面上か、やや上に並べてしまうと、生活しにくいという問題もある。
お一人様のコンパクトなデスクトップ5.1chや、高い位置から角度をリスナーに向けるという方法を是非試してみてほしい。
あともう1歩、サラウンドが…という人はこれも参考になるかも(^^)/