ホームシアター

映画サラウンド最後の一手は低音の位相タイミング合わせ!サブウーファー微調整の極意

今回はおそらく、世界初の提案で、特にマニアックな内容になります(^^)

ガチめのサラウンドホームシアターを構築して、難しい低音もなんとか調整してかなり満足されている方で、

「もう音の調整は全てやりきったからワシのホームシアターはもうこれ以上良くはならん!」という方へ贈る最後の微調整の提案ですw

最後のサブウーファーの微調整でさらに満足度を上げましょうという内容です

今までこのやり方はぼくも聞いたことも見たこともないので正解かはわかりません!

でも、毎日映画サラウンドを最高にしたいと思って遊んでいるうちに発見した手法を共有させていただきます(^^)

間違ってたらコメントなどで教えてください。

MultEQ XT32の低音の位相補正を使う

今までサブウーファーの調整ポイントといえば、クロスオーバーと、音量(レベル)と、設置場所。

この3つのポイントに注力して調整してきた方も多いと思います。

今回は主にDENON、MarantzのAVアンプの中でも、9ch以上のモデルに搭載されているAudyssey MultEQ XT32の、【低音の位相補正】機能を使います

因みにこの機能の本来の使い方は少し違うようですが、それは後回しにします。

【セットアップ】→【オーディオ】→【低音の位相補正】と進んでいただきまして

サブウーファー出力の位相(発音タイミング)を微調整します。

調整範囲は0ms〜16msです。

お買い上げ時の初期値は0msです

この遅延時間を、コンテンツを再生しなが、お好みの範囲で決定するだけです。

何と何の遅延?と思われるかと思いますので説明します。

サブウーファーから発音される、LFEチャンネル部分と、その他全てのチャンネルのタイミングのズレです。

具体的に例を上げると、数値を0→1に変更すると、サブウーファーのLFEチャンネルの発音タイミングはそのままで、

フロント、センター、サラウンド、サラウンドバック、天井4本の全てのスピーカーを同時に1ms遅らせて発音するということです。

2msにすればさらに遅れます。

LFEチャンネルが少し遅れると仮定して、他のチャンネルを段階的に遅延させていき、タイミングが気持ちよくグルーヴ感のある場所を探るのが目的です。

サブウーファーを2台使いしている方は、その2台は同じタイミングで制御されます。個別は不可です。

因みにぼくは0→1にして、低音のタイミングが合ったように感じました。

えっ、1/1000秒なんか意味ある?と思われるとおもいますが、

以下AIの解説によると、

1ms(ミリ秒)は 1/1000秒 の時間です。

つまり、

1秒を1000等分したうちのひとつが1ms

光が1msで進む距離は約300km(東京から名古屋くらい)

音が空気中を1msで進む距離は約34cm(机の横幅くらい)


ホームシアター的に言うと、AVアンプの「ディレイ調整」で1ms動かすと、スピーカー位置を約34cm前後に動かしたのと同じ効果があります。

というわけで全てのAVアンプユーザーが使える機能ではないのが少し残念です。

が、この記事全体でお伝えする内容にサブウーファー調整のヒントは色々あると思いますので、類似した機能で他メーカーのAVアンプでも同様の調整ができる可能性はあるかもしれません。

最後までお読みいただけますと幸いです。

ローパスフィルターを何度も経由してサブウーファーの遅延が発生する問題

MultEQ® XT32と通常のMultEQ® XTとの違い

デノンやマランツのAVアンプに搭載されている Audyssey MultEQ® XT と MultEQ® XT32 は、名前が似ていますが補正の「解像度」に大きな差があります。ざっくり言うと、XT32は「より細かく・正確に」スピーカーと部屋の音響特性を補正できる上位版です。—1. フィルタ解像度の違いMultEQ XT・スピーカー用フィルタ:各チャンネル 512タップ(フィルタの分解能がそこそこ高い)・サブウーファー用フィルタ:128タップ(低音の補正はやや粗め)MultEQ XT32・スピーカー用フィルタ:各チャンネル 512タップ(XTと同じ)・サブウーファー用フィルタ:32倍の 8192タップ→ 低音域を非常にきめ細かく補正できるつまり、サブウーファー補正の精度が段違いで、部屋のモード(定在波)や低音の膨らみをより自然に整えてくれるのがXT32の大きな強みです。—2. サブウーファーの扱いXT:サブウーファーはまとめて1系統として補正。複数サブを使っても個別最適化はできない。XT32(SubEQ HT搭載機種):サブウーファーを2本まで個別に時間差・音量を調整した上で、全体のEQをかけられる。→ 2サブ運用(デュアルサブ)の場合に圧倒的に有利。—3. 測定点数両方とも最大8ポイントまで測定可能。ただし、XT32のほうが測定結果をより高精度に反映できるため、同じ8点でも仕上がりの自然さが違います。—4. 実際の聴感上の差XT:高域や中域のバランスはある程度整うが、低音がまだブーミーに感じることがある。XT32:サブウーファーの鳴り方がタイトになり、フロントやセンターとのつながりが自然。セリフが埋もれにくい。—まとめXT → エントリー〜中級向け。基本的な補正は可能だが低音の精度に限界。XT32 → 上位向け。特にサブウーファーの補正精度が圧倒的に高く、デュアルサブ運用にも対応。