庶民派映画音響サイトとして、1万円以下で買える映画鑑賞にバランスのいいヘッドホンを読者にお伝えしたいという思いがあった。
例えばイヤホン好きになるとshureだとかヘッドホンならゼンハイザーだとか、そういうブランドや歴史に音の評価がひっぱられるでしょ?
ぼくだってJBLのスピーカーは2割り増しでいい音に感じるからね、そういう愛情補正ってオーディオの世界は無視できない。
そこで、ここ2~3カ月たくさんのヘッドホンを聞き比べて映画を試聴してきた。
友人や家族(姉ちゃん)から借りたり、時には秋葉原のヨドバシカメラの4階(200種類ぐらい試聴できる、たぶん品揃え日本一)で6時間耐久イヤホン、ヘッドホン聞き比べテストなどをした日もあった。
(ホントにすみません、でも素晴らしいので実機に触れたい方は是非訪れてみてください…ほぼ天国)
イヤホン、ヘッドホンで悩んでAmazonレビューを2時間ぐらい読んでるなら思い切って近くの大きな電気屋さんで試聴したほうがいいよ。
Amazon評価って有名メーカーの売れ筋商品は⭐⭐⭐⭐4点の評価ばかりになって自分が好きな音なのかわからない状態なんだよね。
目次
映画鑑賞用ヘッドホン選びのポイント
⭐映画にバランス最適なもの(しっかり重さが伴う音、音場が広め)
⭐どの地域の人でも入手できるようにAmazonで1万円以下で買えるモデル
⭐インピーダンスが90Ω以下のモデル
ドライバーの種類やサイズは考慮しないというか…価格帯的にだいたい決まってきちゃうし、メーカーによる差が大きいからね。
さて、試聴用に使った映画はこれ👇
映画の音って抽象的な表現になるけど、カッコよくないといけないと思ってるんだ。
そのためには、車が走ったら2トンの物体が移動した音、ピアノが鳴ったら重厚な鍵盤の音、銃声なら身体の芯に響くような…つまり映像と吊り合うような重さが伴う音が鳴ることがリアルさにつながって映画ってカッコいい…となると信じてる。
ほかにドルビーアトモスみたいなシームレスなモノの移動感とか、音場の広さなんかもあればいいけど、イヤホンだとほとんど感じられない。
ヘッドホンならイヤホンよりは音場は広がるけど、スピーカーを並べたサラウンドに比べるとほとんどないといってもいい。
そんな条件でも、映画鑑賞にいちばん良かったヘッドホンをいきなり紹介する。
ゼンハイザー HD300 参考価格6557円
ぼくにはゼンハイザーというブランド力も通用しない。
いくら老舗でもひいきめはなしだ。
しかし、ぼくが映画みるならこれで観たい。
「リアルスピーカーは禁止!イヤホンかヘッドホンで映画を観なさい」と言われたらぼくはゼンハイザーのHD300にする。
1万円以下のヘッドホンの中では音場が広く、銃声が遠くから轟く感じなどか自然。
物の定位感もかなりハッキリするから映画を見ていて面白い。
あと耳に刺激のある音がほとんどなくマイルドで上品なのも映画の長時間試聴に適してる。
全体にオーディオの音というか、映画に深みを与える確かな重さの表現が他の1万円以下のヘッドホンより1クラス上の感じ。
ハウジングは広くないし、耳たぶに乗るタイプだから解放感はない。
それでもパッドの肌触りはなかなか気持ちいいので(表現としてはしっとり上質w)2時間の映画鑑賞にも密閉感は強いけどOKとした。
でね、
当サイト「ぼくの映画館」推奨の映画鑑賞にオススメの1万円以下で買えるヘッドホンは「ゼンハイザーHD300」としておこう。
以下に紹介するヘッドホンは映画鑑賞には特にオススメというわけではないけど、Amazonなどでもレビューも多く人気なので興味ある人もいると思った。
参考に今回試聴した中で特に買いやすい価格のモデルをレビューするよ。
オーディオテクニカ ATH-AVC300 参考価格2590円
AVC200とC300なら、
ATH-AVC300のほうが断然いいよ。
音楽聞いてもぜんぜん違う。ぼくはこの価格帯のヘッドホンの差とかあんまり自信ないけど、これは多くの人が感じるレベルで差がわかる。
価格差は1000円。ちょっと予算だしてAVC300がいい。
ただ音響特性としてはイヤーパッドハウジング内でかなり音が響く感じ。
よく音楽のアンプのエフェクトで「コンサートホールの音響」とかあるじゃん?大袈裟に表現すると、このAVCシリーズの響きはそんな感じ。
そこで少し音のフォーカス甘くかんじるなぁ…
それが原因だかわからないけど、ゼンハイザーHD300より、登場人物の台詞の分離はやや劣る。
音が派手に迫力たっぷりに聴こえるから人によってはこれ好みというのもあるかもしれない。
そこは好き嫌いが別れるところ。
ぜひ実物の音を聞いて欲しい。
AVC600とAVC300の差が聞き比べてもよくわからなかったから、価格差を考えると、AVC300がコスパはいちばんいいと思う。
オーディオテクニカのAVC300ぐらいから、いい音で映画見れる感があるモデル。
ゼンハイザーのほうが音色に深みと落ち着きはある。
装着感はいたって普通、快適だ(^^)/。特に強いこだわりがなければ、音楽も映画も AVC300で楽しめるんじゃないかな。
SONY MDR-XD 参考価格1773円
とにかく装着感がいい!
ヘッドホン嫌いには最高!ヘッドホンしてないみたいな軽さ。
この軽さはAmazonレビューをいくら読んでも、実物を装着しないとわからないなぁ…、
本体重量じゃなくてかけ心地が軽いのよ。
ただし圧迫感がないぶん隙間は大きい、周りが騒がしいと音が入ってきて映画に集中できないかも…
ハウジング内の気密性が低いから蒸れは少ない。サラサラ系だ。
最後に音質だけど、
ちょっと誤解のないように説明すると、イヤホンは耳のなかに直接音を入れるので、音質の点では有利なのよ。
DAISOの100円のイヤホンでも最近のはある程度聴けちゃう。
どんなに安いヘッドホンでも低音はヘッドホンのほうがドライバーが大きいぶん有利なのかなと思ってた。
しかし、100円イヤホンと聞き比べると明らかにMDR-XDのほうが低音が減衰するというか量感が物足りない。
100円イヤホンのほうが低音もしっかりあるし音質は上。
えっ!と思うかもしれないけど聞き比べてみたらいいよ。
試みとして意味がなさそうだから、廉価ヘッドホンと100円イヤホンの比較をやったことない人がほとんどだから気がつかないだけ。
ぼくみたいに庶民派のオタクが100円イヤホンを聞き込んでみるというのは意味がある。
※100円イヤホンのなかにも製品の差はある。DAISOは200円や300円のイヤホンも展開してるけど評価と価格が一致しないこともある。
趣味が高じて高価なヘッドホンなどを所有してしまうと、最新のDAISOの100円イヤホンの音なんか聞きたくないんだ。
趣味人ならわかってくれると思う。
ぼくだってスピーカー大好きで気に入ってる音がある。そういう時にこういう商品の音聞きたくないよ↓参考価格1980円
怖いじゃん…うっ!ってなりそう。
通りすがりのおばちゃんとかに「たいして音変わらないじゃない!安いのにしとき!」と言われたらショックで寝込んでしまう。
というわけで、MDR-XDは高音質を求めて買う人にはオススメしない。
パッケージ記載の「臨場感に満ちた低音再生」はちょっとソニーさん盛り過ぎ…
映画鑑賞用ヘッドホンはゼンハイザーHD300がおすすめ
最近のヘッドホンは装着感がかなりよくなってることがわかった。
かなりの数試したけど、長時間の使用で蒸れそうなのはあったけど、痛いというのはほとんどなかった。
興味本位で5万円以上するような高級モデルも試したが、価格差を考えるとゼンハイザーのHD300を圧倒するようなパフォーマンスは感じなかった。
高級モデルは、アンプ前提というか…インピーダンスが300Ωとか(汗)、
スマホ、タブレットのモバイルレベルのステレオジャックではとうてい鳴らしきれないので購入の際は気をつけて欲しい。
モバイルの3.5㎜ステレオミニジャック接続で使う人は50Ωぐらいまでのモデルにしたほうが無難。
抵抗値に対して出力が不足してヘッドホンの実力が出しきれないんだ。
その点ゼンハイザーのHD300はスマホ~AVアンプ、USB-DACとシーンを選ばず使える強みがあるよ。
プレゼントにもいいと思う。3000円のヘッドホンってちょっとプレゼントには抵抗ある人でも、6000~7000円ぐらいのHD300ならちょうどいい。
しかも名門のゼンハイザーだ。
音響に興味ない人でも、「なんかこれいい音するなー」と気づくはず。
ホームシアターオタクのぼくだけど、久しぶりにヘッドホンとか試して、夜間でも他人の迷惑にならずに、近所迷惑にならずに、安心して綺麗な音で楽しめるヘッドホンもありかなと少し思ったよ。
イヤホンは…映画にはごめんなさい!頭の中心で音が鳴っちゃうのが苦手なのよ。